ミネラルウォーター市場が底堅い。2025年のミネラルウォーター類の国内生産と輸入合計の年間販売金額は前年比3.1%増の約5057億円となり、金額ベースで過去最高を更新した(日本ミネラルウォーター協会調べ)。
〈持ち歩き需要に対応〉
その背景には、生活者の水の使い方の変化がある。サントリー食品インターナショナルが2025年9月に1000人を対象に行った調査では、10~30代で「出かけるときに水を持ち歩く」割合がいずれも65%以上と高く、若年層を中心に小容量・中容量のパーソナルサイズ需要の広がりがうかがえる。各社はこうした変化を捉え、単に喉の渇きを潤すだけでなく、持ち歩きやすさや分別しやすさ、場面に応じた使いやすさまで含め、水の価値を磨いている。
象徴的なのが、サントリー食品インターナショナルの「サントリー天然水」だ。2024年に容器形状を刷新した1Lに続き、2026年は375ml商品を加えた。少量を持ち歩きたい層や、バッグに収まりやすいサイズを求める層に向けた提案で、容量の違いを単なる大小ではなく、生活者ごとの使い方の違いに応える価値として打ち出している。
〈容器やラベルで差別化〉
アサヒ飲料は「アサヒ おいしい水 天然水」で、ラベルをはがしやすい「シンプルecoラベル」を差別化の柱に据える。環境配慮であると同時に、分別時の手間を少なくする使い勝手の提案でもある。2026年はラベルデザインを刷新し、キャンペーンも通じて認知拡大を図る。さらに、同ブランドは白湯や無糖レモン水といった広がりも見せ、温度帯や飲みやすさの違いを価値として提案している。
コカ・コーラシステムの「い・ろ・は・す」も、容器そのものの体験価値を磨いてきたブランドだ。
大塚食品の「クリスタルガイザー」は、いち早く700mlという大きめのパーソナルサイズを独自価値として育ててきた。500mlは物足りず、2Lは多いという需要に応える「ちょうどいい大きさ」が支持され、ブランドを牽引する商品に成長している。
ポッカサッポロフード&ビバレッジは、紙製飲料容器のカートカンを通じて環境対応型の容器価値を訴求。同社製品は企業の来客用などで活用が進んでいる。
伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズの「エビアン」も2026年にブランド誕生200周年を迎え、若年層との接点強化や販促施策によりユーザー拡大を狙う。
〈備蓄需要にも広がり〉
備蓄需要の広がりも市場の土台を支える。アサヒ飲料などでは長期保存可能な商品も展開している。日常品であると同時に、備えの対象としても定着しつつある。
かつてミネラルウォーターは、採水地や安全・安心をどう伝えるかが主戦場だった。









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