神島へはどうやって行く?
三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


神島への行き方はふた通りあります。「鳥羽」駅から徒歩で「鳥羽マリンターミナル」に向かい、市営定期船に乗船する行き方と伊良湖港から神島観光汽船に乗船し、神島に渡る行き方です。
今回、筆者は車で伊良湖港(駐車無料)へ行き、高速船で神島へと向かいました。

伊良湖港から神島へは約15分で到着。あっという間の船の旅です。この日は運よく凪で船はほとんど揺れませんでした。ちなみに往復の旅客運賃は2,800円です。

約1時間かけて神島をぐるりと一周
三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


神島に到着後、さっそく島内を一周することにしました。
時計回りで島を一周するのが定番コースのようでしたが、ツアー客で混み合っていたため、反時計回りで一周することに。

三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


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道なりに歩いていくと、結構な勾配の坂が目の前に現れます。気合いを入れてグングンのぼり、アップダウンの道路をしばらく歩いていくと、神島小・中学校に到着します。この小・中学校は昨年(2017年)にこの場所に建てられたばかりで、モダンで素敵でした。

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港と反対側にある海岸。海女さんたちが素潜りをして、何かをとってきたようでしたが、遠くて肉眼では確認できず・・・。
海岸におりようと試みるものの、どこもやや急で適当な道が見つからず、今回は断念。夏になれば、海水浴も楽しめそうな海岸です。

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小・中学校のグランドを抜けると、獣道のような散策道になります。上の画像ではわかりづらいかもしれませんが、どこまでも果てしなく続く急な登り坂で、ヘトヘトに。途中、筆者とは逆回りで島を一周しているツアーの人たちに「この先、急な坂が続くけど、頑張ってね」などと励まされつつ、なんとか「監的哨跡」に到着しました。

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映画「潮騒」のクライマックスのシーンでも有名な「監的哨跡(かんてきしょうあと)」

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「監的哨跡」は戦時中に旧陸軍が伊良湖から撃つ大砲の試着弾を目視した場所です。
この場所は「潮騒」のクライマックスシーンとしても有名。「潮騒」は過去に5回映画化されていますが、特に話題となったのが、吉永小百合と浜田光夫が主演の作品です。そのため、お二人の映画のラストシーンの写真入りのパネルもあります。

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「監的哨跡」の最上階(3階)からの景色。伊良湖岬を一望でき、大型タンカーや伊勢湾フェリーの往来を眺めることもできます。

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カルスト地形も見えます。
5月の暑い日でしたが、風光明媚で海風が心地よい場所でしたよ。

三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


「監的哨跡」で一息ついた後、しばらく散策道を歩いていくと「神島灯台」に到着。ここは「恋人の聖地」になっているそうです。

どこか懐かしい、思わず探検したくなる神島の集落

三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


集落へと向かう道はコンクリートの階段になっていて、快適。あっという間に集落に着きました。集落に入って最初に、200段をこえる石段のある「八代神社」を訪れました。
階段をのぼって参拝しようと思っていましたが、思いの外、足が疲れていて、今回は階段の下から神社を眺めて終了。

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神島の集落。まるで広島県尾道のミニチュア版。入り組んだ迷路のような道で、探検するのが楽しかったです。

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入り組んだ道の途中に、どこか懐かしさを感じるタバコ屋さんを発見。

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富山の薬屋さんがお礼として神島に寄付した「神島の時計台」は集落の入り口にあります。
薬屋さんが各家を訪問して薬を売る、薬の回り売り・・・神島ではまだ行なっているのでしょうか? 気になるところです。

神島で唯一ランチを食べられる民宿「潮騒の宿 山海荘」
三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


筆者が以前、神島を訪れたのは、約20年前になります。その頃は、民宿の数も多く、活気のある島でした。しかし、神島も過疎化の波に飲まれていて、廃業してしまった民宿も多いそうです。そのため、ランチを食べることができるのも「潮騒の宿 山海荘」のみ、とのこと。

「潮騒の宿 山海荘」を訪れると、女将さんに「予約はされていますか?」と声をかけられました。どうやら、行けばランチにありつけると思っていた筆者の考えは甘かったようです。「いいえ、予約はしていないのですが・・・」と伝えると、女将さんに「ごめんなさい。今日は予約がいっぱいで」と断られそうになりましたが、とても素敵な女将さんで「お弁当であれば作れますよ」と言ってくれました。※「潮騒の宿 山海荘」でランチを食べたいのなら、予約は必須です。

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こちらが神島名物のタコ飯のお弁当です。500円で値段も良心的。タコが新鮮でプリプリしていて美味しかったです。

神島にはいたるところにベンチが設置されていて、座る場所には困りませんので、お弁当を持参するのもいいかもしれませんね。海風に吹かれながら、食べるご飯は格別ですよ。


潮騒の宿 山海荘
ホームページ:http://www.sankaiso.net/
住所:三重県鳥羽市神島町75
電話番号:0599-38-2032


神島を観光する際の注意点とは?
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神島は島全体が坂になっているといっても過言ではありません。島を一周する場合は約1時間、アップダウンのある道を歩くことになりますので、スニーカー必須です。万が一、ヒールやサンダルで行ってしまった場合、一部しか観光できない可能性がありますのでご注意を。

神島情報おまけ
三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


こちらは獲れたてのヒジキです。神島では干潮時に海女さんが素潜りで海藻をとってきて、このように干している光景を見ることができます。ヒジキって元は濃い緑色の海藻なんですね。黒のイメージが強すぎて、少し驚きました。

三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


神島へは10時15分に到着し、14時の高速船で伊良湖港へと戻りました。4時間弱の島旅でしたが、iPhoneを見てビックリ! ウォーキング距離が約9キロメートル、のぼった階段がなんと53階分でした。神島を一周するには、標高約170メートルの山を1時間程度でのぼりおりすることになるので、想像以上にハードでした。

しかし、海風に吹かれ、燦々と降り注ぐ太陽の光を浴びながら島を巡ることができ、とってもリフレッシュできました。「また訪れたい・・・」そう思える魅力が神島には確かに存在します。三島由紀夫のファンはもちろんのこと、そうでなくても、半日で気軽にハイキングを楽しめますよ。

三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台、絶景を望める三重県「神島」


[神島]
[All photos by あやみ]