日本にとっても要注意な戦闘機です。

ロシア空軍が喪失した約90機のうち5機が「Su-35S」か

 イギリス国防省は2023年10月4日(水)、ウクライナ紛争の状況に関する分析を更新。

ロシア軍が、現在の最前線から約20km後方にあるトクマク上空で、自軍のSu-35S戦闘機を誤射で撃墜した可能性が高いと発表しました。

ロシア空軍の新鋭機「Su-35」ウクライナ侵攻で5機を喪失?...の画像はこちら >>

ロシア空軍のSu-35戦闘機(画像:ロシア国防省)。

 イギリス国防省は、ロシア空軍がウクライナ侵攻で、既に約90機の固定翼機を喪失していると分析。ただ、新鋭戦闘機であるSu-35Sの損失は、現時点で5機にとどまっているとしています。
 
 Su-35Sは、旧ソ連が開発したSu-27を発展させた機体で、第4++世代機に相当します。空対空の制空任務のほか、対地攻撃も可能です。

ロシア空軍では、最新鋭の第5世代ステルス戦闘機であるSu-57の配備があまり進んでおらず、Su-35Sは重要な役割を担っています。

 ウクライナ侵攻では、Su-57が最前線に姿を見せない一方、Su-35Sは激戦が続くトクマク周辺の戦いに投入されるなど、広範に運用されているようです。
 
 トクマクはウクライナ南部ザポリージャ州の要衝で、ウクライナ軍が奪還を目指している街です。ただ、ロシア軍が要塞化を進めて指揮所などを設け、防空システムも展開させているといいます。
 
 イギリス国防省によると、ウクライナ軍は前線後方への攻撃を継続しており、トクマクに展開するロシア軍の防空システムは、かなり高度な警戒体制を敷いているそう。今回発生した誤射は、そうした状況の中で発生したとしています。

 ちなみに、このSu-35Sはウクライナだけでなく、日本にとっても注意を要する戦闘機です。防衛省が公開している「防衛白書」によると、2018年から北方領土の択捉島に進出が確認されたとしています。