2015年7月25日、JR東海・浜松工場の一般公開イベントで“空中を行くドクターイエロー”が初公開されました。また合わせて「新幹線唯一の踏切」を通過するという珍しいことも行われています。
2015年7月25日(土)、JR東海は浜松工場(静岡県浜松市)で一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」を開催。「ドクターイエロー」の“空中浮遊”が初めて公開されました。
浜松工場は新幹線車両の整備などを行う施設で、車体を吊り上げる設備があります。それを使用して例年、その一般公開で全長およそ25mの新幹線車両を吊り上げ、空中を移動させる実演が行われており、高い人気を集めています。
この「車体上げ・載せ」と呼ばれる実演に今回はじめて、走行しながら線路設備のチェックを行えることから「新幹線のお医者さん」とも呼ばれる923形新幹線電気軌道総合試験車「ドクターイエロー」が使用されたのです。
運行スケジュールが公開されておらず、「出会えると幸せになれる」ともいわれる「ドクターイエロー」。ただでさえレアな車両が宙に浮く姿を初めて見られることから、多くの家族連れ、鉄道ファンが朝から会場に訪れていました。
ドクターイエローの空中浮遊は「巡り合わせ」が理由今回「ドクターイエロー」がその実演に初めて使われた理由について、JR東海は「全般検査(全検)」と重なったことを挙げます。
「全般検査」はクルマでいう「車検」のようなもので、鉄道車両で行われている定期検査のうちもっとも大掛かりな検査です。車両から機器を取り外し、徹底的に整備、点検を実施。JR東海の新幹線車両は36ヶ月または走行距離120万km以内に1回、定期的に浜松工場で「全般検査」を受けています。
今年は浜松工場の一般公開イベント開催日と、浜松工場で行われる「ドクターイエロー」の全般検査が重なりました。
実演に使用された「ドクターイエロー」はピカピカでした。それは全般検査で、合わせて車体の再塗装も行うからです。
新幹線の歴史初の踏切通過も今回のイベントでは「新幹線に乗って踏切を通過する」という、大変珍しいことも行われました。
新幹線には、原則として踏切がありません。踏切がある線路を高速走行するのは、安全面で大きな問題になるからです。しかし東海道新幹線の“本線”から浜松工場への引き込み線には、高速走行をしないため、踏切が1カ所だけあります。
ただもちろん、この引き込み線・踏切を通る列車は回送で、乗客はいません。そのためこれまで、新幹線でこの踏切を通過したことのある一般乗客は皆無でした。
しかし今回のイベントに合わせて、東海道新幹線の“本線”から浜松工場へ直通する団体臨時列車が初めて運行されました。つまり1964(昭和39)年10月1日に開業して以来、「新幹線」およそ50年の歴史で初めて、新幹線で踏切を通過した乗客が誕生したことになります。
厳密には、車体サイズが小さく「ミニ新幹線」と呼ばれる山形・秋田新幹線の車両が、在来線区間でいくつもの踏切を通過しています。
浜松工場一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」は7月26日(日)も10時から15時まで行われ、“ドクターイエローの空中浮遊”(当日配布の整理券が必要)などを見学可能です。入場は無料。浜松駅から工場までシャトルバスが運行されます。

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