セミクロスシートの現行車両を順次置き換え

 JR東日本は、2026年秋頃から奥羽本線(山形線)に新型車両E723系5000番台を導入します。現行車両の719系5000番台より環境性能や快適性が向上しますが、セミクロスシートからロングシートに変わるほか、車両前面の帯が片側にしかないことが注目を集めています。

どのような意図があるのか、JR東日本に聞きました。

【画像】現行の車両から激変!これが新型車両E723系5000番台の車内です

 福島と新庄を結ぶ山形線の車両は、山形新幹線との共用区間を走行するため、JR在来線の大部分を占める狭軌(1067mm)ではなく、新幹線と同じ標準軌(1435mm)となっていることが特徴です。

 JR東日本で標準軌の在来線車両が走るのは、山形線と、秋田新幹線と線路を共用する田沢湖線(盛岡~大曲)のみとなっています。

 E723系5000番台の車体はステンレス製で、製造は川﨑車両が担当。山形線の既存車両と同じくオレンジ+白+緑の帯を巻きます。2026年4月に甲種輸送が行われ、この時は狭軌用の仮台車を履いて東海道本線を走行する珍しい光景が見られました。

 ハイブリッド気動車HB-E220系とよく似た外観ですが、ドアは両開きの3扉となっています。各車両に車いすやベビーカーを利用する人向けのフリースペースが設置され、座席は全てロングシートです。

 車両側面のカメラなど、ワンマン運転に対応した機器を搭載するほか、ロングシートの座席幅を拡大することで、快適性も向上します。

 今後は2両編成が11本導入予定。奥羽本線で屈指の峠越えの難所である、板谷峠も走行することになります。E723系5000番台について、JR東日本に話を聞きました。

車体はハイブリッド気動車HB-E220系をベースに設計

――山形線にE723系5000番台を導入することになった背景について教えてください。

 奥羽本線(山形線)の719系5000番台は製造から30年以上経過している車両であり、これらの老朽取替えを行うため、新車を投入することとしました。

――山形線では719系5000番台のほか、1999年に登場した701系5500番台も活躍しています。701系5500番台は代替の対象外でしょうか?

 代替の対象外です。

――E723系5000番台は電車ですが、デザインはハイブリッド気動車のHB-E220系に似ています。なぜなのでしょうか?

 車体はHB-E220系をベースに設計しているため、類似しています。

――E723系は車両前面の帯が片側にしかありません。これにはどのような意図・目的があるのでしょうか?

 他の車両と違った印象を持たせて個性を与えるため、あえて片側のみの配置としています。

――E723系5000番台はセミクロスシートの現行車両(719系5000番台)と異なり、ロングシートですが、なぜセミクロスシートを採用しなかったのでしょうか。

 クロスシート・セミクロスシートより、通勤通学の混雑時においてスムーズな乗り降りをしていただけるよう、ロングシートタイプとしました。
※ ※ ※

 ちなみに、E723系5000番台に置き換えられる719系5000番台は、乗客同士が車両中央で向かい合う「集団見合い式」という珍しい座席配置を採用しています。この旅情あふれる珍しい座席も、もう少しで見納めとなります。

ふだん利用する通勤・通学客にとっては、ロングシートの方が好ましい面もあるようです。

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