NEXCO東日本が上信越道で進めている「北野牧工事」が進捗しています。一時はトンネル上に高さ70mもの“足場の要塞”が組まれていましたが、2026年現在はどうなったのでしょうか。
この工事は群馬県安中市、碓氷軽井沢ICの北側で進められている安全対策工事です。北野牧トンネルの坑口の上に露出していた岩山(岩塊)を撤去するため、その岩塊をすっぽりと足場で覆っていました。
2023年から撤去工事をスタートし、ダイナマイトなどを使わず岩塊の頂上部分から少しずつ、重機で岩を割って砕いていきました。岩塊が低くなるとともに、足場も上部から解体していきました。この現場は、本線からだと上り線のわずかな区間からしか見えませんが、“足場の要塞”がだんだん低くなっていった光景を見守っていた人も多いかしれません。
「現在は岩塊の撤去は完了して、その跡にモルタルを吹き付けるなどしている最中です」(NEXCO東日本長野工事事務所 山本睦功所長)。トンネル上に屹立していた岩山はまるごと消え、高速道路の“一般的な法面”のようになりつつあります。
砕いた岩は累計9万5000立法メートルという途方もない量になるため、工事事務所では「不落石(落ちない石)」とゲンをかついで横川SAなどで配布していました。それも今年の春に「不落石プロジェクト フィナーレイベント」を迎えています。
「もっとも、工事の“後片付け”に、あと3年かかります」と山本所長。もともとこのプロジェクトは足場だけでなく、急峻な山のなかに工事用道路・工事ヤードを構築したり、工事車両をまるごと載せるインクライン(斜行エレベーター)や作業員移動用のモノレールを敷設したりと、撤去作業開始までの準備に約6年をかけています。後片付けも含め全てが終わるのは2029年の予定です。
そもそも、岩塊を撤去することになったのは、1996年に北海道で発生した「豊浜トンネル岩盤崩落事故」がきっかけ。トンネル坑口付近の岩盤崩落により、20名が亡くなった事故を受け全国のトンネルの上が緊急点検された結果、同様のリスクがある場所として唯一選定されたのが、この上信越道「北野牧トンネル」上の岩塊でした。将来のリスクを取り除くため岩塊そのものを撤去して予防的な保全措置を図ることとなったのです。
足場要塞はインパクト満点で、テレビでもしばしば取り上げられたほか、NEXCO東日本のプロモーションビデオとしてSA・PAなどでも放映されていました。
※一部修正しました(6/1)

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