舞台「鬼滅の刃」其ノ陸 柱稽古・無限城 突入が6月13日から上演される。原作漫画「鬼滅の刃」はコミックスの全世界累計発行部数が2億2000万部を突破。

その大人気作品の舞台化で、シリーズ6作目となる本作では、柱稽古、そして無限城の戦いを描く。前作では映像出演した上弦の弐・童磨役を、圧倒的な歌唱力と存在感で数多くのミュージカル作品の主演を務める浦井健治が続投する。浦井に本作への意気込みや、役への思いなどを聞いた。

-前作では童磨役として映像出演されたことも大きな話題となりましたが、どのような反響が届いていましたか。

 黒死牟(こくしぼう)役の加藤和樹くんと童磨役の浦井健治、この2人が新キャストとして発表する製作発表会があったのですが、その時のことはよく覚えています。解禁直前はスタッフさんたちと一緒にソワソワしたり、発表後もミュージカル界も含めて話題にしてもらったり、そんな幸せな瞬間に自分が関わることができて光栄でしたし、それだけ大きな作品に参加させていただけることに喜びを感じました。

-今回は実際に舞台上に立たれますが、出演にあたっての現在の心境を教えてください。

 原作「鬼滅の刃」の大ファンですし、今回は童磨として映像ではなく、しっかりと舞台に立たせていただける。さらに(物語も)無限城へ突入しますから、大興奮です。劇場版アニメも大好評のなかで、胡蝶しのぶとの戦いを演じさせていただけることに光栄さと同時に大きなプレッシャーも感じていますが、キャラクターを背負うことの醍醐味(だいごみ)を味わいながら、童磨を誰よりも愛し抜こうと思います。

-童磨という役柄については、改めてどのように捉えていますか。

 自分の言葉一つひとつを世界中の童磨ファンの皆さまがどう受け取るのか。

解釈違いではないか、と考えたりはしますね。自分なりに原作を読み込んだ上で思うのは、童磨は両親や万世極楽教などの過去の環境に何かしらの要因があって感情の欠落を背負っている。胡蝶しのぶとの対峙(たいじ)を経て、これまでになかった新たな感情が芽生えたと思っています。カナエからしのぶへ、しのぶからカナヲへ受け継がれる絆、そのストーリー全てに童磨が関わっているので、胡蝶家と童磨の関係を大事に演じたいと思います。

-今もお話がありましたが、本作では童磨と胡蝶しのぶとの因縁の戦いが描かれますが、しのぶ役の門山葉子さんとの共演で楽しみにされていることは?

 すごくすてきな方で歌唱力の化け物だと伺っています。これまでのシリーズで胡蝶しのぶを演じてこられたわけですから、そこにいきなりミュージカル界から浦井健治が現れるというのは、童磨が現れるということとリンクしているような気がしますね。ですが、そうした関係も含めて楽しんでくださるような方だと思うので、舞台上での童磨としのぶの面白さにもつながるのではないかと思います。

-前作に続き、元吉庸泰さんが演出を担当されます。元吉さんの演出への楽しみ、期待を聞かせてください。

 元吉さんとは、StarSというユニットでの活動でもご一緒したり、ミュージカル「アルジャーノンに花束を」でも演出補として関わってくださっていたこともあるので、今回、童磨として出演することについて「胸アツすぎない?」と、元吉さんも喜んでくださっています。自分もリスペクトを持ちつつ、今や数々のヒット作を生み出している演出家で、役者への愛も大きい方が、柱稽古と無限城の戦いの序盤をどのように一つの舞台としてまとめるのか、期待しています。今回は高輪ゲートウェイにできた新しい劇場での公演ですから、その劇場を使ってどのように演出をされるのか、楽しみですね。

-漫画原作の作品に出演される際に意識していることや、役作りをする上で考えていることはありますか。

 キャラクターを背負う責任を感じることです。舞台に立った瞬間に、お客さまやキャラクターのファンの方に「そのキャラクターが存在する」と感じて愛していただけるところまで持っていかなければいけない。ビジュアルや声色、そして生い立ちも含めてすべてを背負い、説得力がある状態まで高めることを徹底しなければいけないと考えています。同時に、それを演劇の中でどう引き算していくかは役者としての醍醐味であり、演劇を担うものとしての務めだと思っています。そこを演出家とすり合わせながら楽しんで作っていきたいです。ですが、童磨は童磨なので、「鬼滅の刃」のファンである自分を信じて、そのファン目線をふんだんに取り入れながら役作りをしたいと思います。

-浦井さんご自身のXでも「宮野真守さんの童磨が大好き」とコメントされていましたが、アニメ版で童磨を演じている宮野さんとは何か話をしましたか。

 「健ちゃんなりの童磨を目指して頑張ってね」という言葉をいただいて、すごく大きな支えになっています。声優界のレジェンド・宮野真守の、さまざまな解釈を落とし込んで、台本と向き合いアフレコに挑むスタンスから繰り出される演技には本当に感銘を受けています。その本人から言葉をいただけたことを武器にして、自分なりの童磨に挑みたいという気持ちになりました。

-童磨のような悪を演じることについて感じることはありますか。

快感ですね(笑)。表現者としてリミッターを外し、ノーリミットになれるのは醍醐味だと思うので、楽しいです。そうした感覚を味わえる役として童磨は最たるものだと思いますし、演じることでどんどん解放されていく感覚があるのではないかと思います。その楽しさは、映像出演のときにも感じていました。キャラクターを背負うという意味では、世界中にファンがいて、今、まさにヒットを続けている作品の中で演じることは、幸せなことだと思います。

-最後に公演への意気込みと、読者へのメッセージをお願いします。

 「鬼滅の刃」ファンとして、そして童磨ファンとしても、これ以上ない環境で演じさせていただけることに大きな喜びを感じています。同時に、皆さんに納得していただける童磨をお届けするために、自分自身にしっかりと負荷をかけながら、お客さまの期待に毎回120パーセントで応えられるよう、準備をしていきたいと思います。そして、この先の無限城の戦いにつながっていくように、みんなで丁寧に紡いでいけたらと思っています。ぜひ楽しみにしていてください。
(取材・文・写真/櫻井宏充)

舞台「鬼滅の刃」其ノ陸 柱稽古・無限城 突入は、6月13日(土)~28日(日)に都内・MoN Takanawa: The Museum of Narratives Box1000で上演。

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