7月23日(日)、中京競馬場で3歳以上馬によるGⅢ中京記念(芝1600m)が行なわれる。

 京都競馬場改修の影響で、今年のレースは4年ぶりに中京での開催となる。

阪神で行なわれた2020年は18番人気のメイケイダイハードが勝ち、3連単は300万円を超える大波乱となったが、中京で行なわれた2017~19年の3年間はいずれも1番人気馬が3着以内に入り、比較的順当な結果に収まった。

中京記念で外せないモーリス産駒 今年の2頭は「5歳時がピーク...の画像はこちら >>

中京・芝1600mで4戦3勝のディヴィーナ

 今回は中京・芝1600mの2013年以降のデータを基に、血統的視点から分析していきたい。種牡馬別成績ではディープインパクトが51勝で、2位のロードカナロアに20勝差と圧倒的な数字を残している。ただ、筆者が気になるのは8位のモーリスだ。

 まだ4世代しか出走していないので出走数こそ89戦と少ないが、9勝、2着13回、3着7回で連対率は24.7%と、産駒が50走以上している種牡馬の中では最もいい数字を残している。重賞でも、2021年のGⅢシンザン記念ではピクシーナイト、ルークズネストがワンツーフィニッシュ。
翌年の同レースでもソリタリオが2着に入っている。

 今年の中京記念には2頭のモーリス産駒が出走予定だが、その中ではディヴィーナ(牝5歳、栗東・友道康夫厩舎)を上に見る。

 昨年3月の豊橋S(3勝クラス)を勝利してオープン入りした同馬は、この中京・芝1600mで4戦3勝と、モーリス産駒では同コース最多勝を誇る。直近の中京・芝1600mでのレース(今年1月の睦月S)は4着で、それを含むここ6戦は馬券に絡めていないが、前走のGⅠヴィクトリアマイルでは勝ち馬ソングラインから0秒1差、ソダシ、スターズオンアースという強豪に続く4着だった。上がり3Fの33秒1はメンバーの中で最速タイム。レース経験を重ねて力をつけてきた印象だ。


 ディヴィーナはかなりの良血で、母ヴィルシーナはヴィクトリアマイルを2勝。半兄にGⅢ新潟記念のブラヴァス、叔父にGⅠジャパンCのシュヴァルグラン、叔母にGⅠドバイターフ、GⅠ秋華賞のヴィブロスがいる。

 ヴィルシーナは5歳時にヴィクトリアマイルの連覇を達成し、GⅠ宝塚記念でも3着。シュヴァルグランがジャパンCを勝利したのも5歳時で、この牝系は5歳時にピークを迎えるとも言えそうだ。父モーリスも5歳時にGⅠを3勝し、産駒でもジェラルディーナが4歳秋、ジャックドールが5歳春にGⅠ初制覇を飾るなど、成長力に富んだタイプが多い。ディヴィーナの重賞初制覇にも期待が膨らむ。



 もう1頭のモーリス産駒、ベジャール(牡4歳、美浦・田中博康厩舎)も侮れない。同馬は前走の薫風S(3勝クラス、東京・ダート1600m)を勝ってオープン入り。初ダートでの勝利だったが、芝でも昨年のGⅢ毎日杯(阪神・芝1800m)で2着。2走前の湘南S(東京・芝1600m)など、3勝クラスでも2度、3着に入っている。

 まだ"格下感"はあるものの、近3走は負担重量58kgで出走していただけに、今回は牡馬では最軽量タイの55kgで出走できるのも大きい。"ハンデ戦は、格上げ緒戦の軽ハンデ馬から"というのは競馬の鉄則のひとつでもあり、狙ってもいいだろう。


 以上、今年の中京記念は、ディヴィーナ、ベジャールのモーリス産駒2頭に期待する。