「4ドアクーペ」と名乗るセダンも!
本来、クーペとは2ドアで主座席は1列の車両(補助的な後部座席を持つものもあるが)を指す言葉であり、国産の現行車種で言えば、トヨタ86/スバルBRZや、日産GT-R、レクサスRCなどがそれに該当する。
しかし、最近ではクーペスタイルと表現されるクロスオーバーSUVや、「4ドアクーペ」と名乗るセダンなどが登場し、ボディタイプの定義が揺らぎつつある。
これらのクーペ風モデルに共通する点として、従来のSUVやセダンに比べて流線形のボディスタイルを持ち、スポーティな雰囲気の外観となっていることが挙げられる。
クーペの不便さを払拭すべく誕生したカタチ
繰り返しになるが、そもそもクーペとは2ドアであることが大前提となっており、リヤシートは備わらないか、備わってもミニマムなもので、とても「後部座席でくつろぐ」という使い方には不向きなものとなっていた。つまり、クーペとはある意味無駄を楽しむモデルであり、富の象徴ということも言えたのである。
現にメルセデスベンツやBMWでも4ドアセダンよりも2ドアクーペの方が高級な位置づけとなっており、ある意味無駄を楽しめる人に向けたモデルと言うわけなのだ。
とはいえ、さすがに2ドアクーペを購入する層はそこまで多くはなく、やはり居住性や使い勝手を重視するユーザーが中心ということで、クーペとセダンやSUVを組み合わせたクーペ風のモデルが登場した、というわけである。
もちろんベーシックなセダンやSUVに比べればルーフが低く、傾斜のあるクーペ風スタイルは不利ではあるものの、本来のクーペに比べれば使い勝手は格段に上。1台でオールマイティにこなしたいと考えるユーザーが増えてきたからこそ、クーペ風のモデルが多数誕生したというのが真相のようだ。
つまり、クーペ風のモデルに対するメリットとは、セダンやSUVのユーザーにとってのメリットではなく(スタイリッシュという点はあるが)、クーペユーザーの考える不便さを払拭するためのものと言えるだろう。

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