この記事をまとめると
■リトラクタブルライトはスペシャリティカーの象徴だった■クルマ好きの間では大ブームとなっており今でも人気が高い
■今ではコスト以外に法規的な理由によって作れない
スペシャルの象徴だった「リトラクタブルヘッドライト」
リトラクタブルヘッドライトと言えば、世界的に絶滅してしまった装備で、一時はスポーツカー、スペシャリティカーには欠かせない存在だった。また、スーパーカーには定番で、「隠しライト」などとも呼んだりして、ブーム真っ盛りを体験した世代には堪えられないものだ。今回は、そんなリトラクタブルヘッドライトが印象的なクルマをまとめてみた。
1)トヨタ2000GT
日本初のリトラクタブルヘッドライト採用モデルとしてだけでなく、そのスタイルもじつに似合っていると言っていい。
細かい説明は不要だろう。前端に付いているライトをヘッドライトと勘違いしている人がいるが、こちらはフォグランプで、ヘッドライトはリトラクタブルなものだけとなる。
2)日産フェアレディZ(Z31)
クルマ好きの間では「眠た目」とか「半目」と呼ばれたのがこちら。閉めても半分ライトが出ているという、今考えれば不思議なデザインだった。ホンダのCR-Xやいすゞのピアッツァなども採用したが、Z31のものは「パラレルライジングヘッドランプ」と呼ばれて、とくに眠い目をしていたのが印象的だ。

そう見える理由としては、ボンネットに対して埋め込まれた形になったからで、CR-Xやピアッツァはグリルとツライチになっていて、違和感はなかった。
1000万円近い純国産スーパーカーもリトラクタブル!
3)マツダ・ファミリアアスティナ
リトラクタブルヘッドライトが、スペシャルな存在というか、憧れ的な装備になると、もともと装着していたスポーツカーだけでなく、実用車にも広がっていったのは傾向として注目だ。実用車と言っても、少しは別格感があって、その代表格がマツダのアスティナ。

さらに日産のパルサーエクサ、ターセル、コルサ、カローラIIのタコツー3兄弟もリトラを採用していた。当時はこんなクルマにも付くのか!? と驚いたものだ。
4)ホンダNSX
初の和製スーパーカーと呼ばれたのが、初代NSXというのはご存じのことだろう。その点は今さら説明する必要もないが、注目すべきは途中から固定式になっているということ。

前方下方の視界確保が十分でないというのが、リトラクタブルヘッドがなくなった理由なのだが、過渡期をまたぐモデルは途中でライトまわりの変更が行われた。三菱のGTOも同様で、固定式も意外にかっこよく、どちらも捨てがたかった。

5)マツダ・ロードスター(NA)
イギリスのライトウエイト的なコンセプトで登場しただけに、ロータスエラン的なアイコンとしてリトラクタブルヘッドを採用していたが、開けてビックリ、2000GTを除いて角目がほとんど。

いわゆるシンプルなのを定番としていたのに、大きな丸目というのが驚かされたクルマ好きは多かったのではないだろうか。もちろんクラシックなライトウエイトスポーツのイメージをアップされる装備として効いていた。
以上5台を紹介したが、もちろん挙げればキリがないほどたくさんの車種に採用された。リトラクタブルヘッド場合、カスタムでもいろいろなスタイルがあったのは注目で、初代ロードスターの片目開けや、ワンビアのようにシルビアをリトラクタブル化するという例もあった。