先日、埼玉県・春日部市の人気ラーメン店として知られる「煮干乱舞」の店主がXで上記の投稿を行った。
この投稿は大きな反響を呼び、「お店の共有物を台座にするのはマナー違反ですし、毅然(きぜん)とした対応はお客さんのためにも正解だと思います」「ルールを徹底されている素晴らしいラーメン屋だと思います」など店側に賛同する声も多く寄せられた。
「煮干乱舞」は【店内ルール】として「お食事中のスマホ禁止 守れない方は迷惑なのでお帰りください。返金はしません。」と以前から発信している。
同様に「スマホ禁止」のルールを掲げている店は多い。その他の飲食店でも、居酒屋や大人向けの料理店が「お子様お断り」としている場合や、感染症予防の観点から「食事中以外はマスクの着用をお願いします」としている場合など、店側が独自のルールを定めているケースは多々ある。
しかし、「せっかく食べに来たのに注文を断られた」「お金も払っているのにルール違反だからという理由で退店させられた」と不満を感じた客側が抗議を行い、トラブルにまで発展するケースもあるかもしれない。
そもそも、飲食店側が独自ルールを定めることや、ルールを守らない客を退店させることは、法律で認められているのだろうか。
店の独自ルールは「合理的な範囲」なら有効だが…
民法に詳しい宮本圭章(よしあき)弁護士は、飲食店と客との間には「客が注文し、店がそれを提供する」という売買契約(飲食物提供契約)が成立している、と解説する。そして民法には「契約自由の原則」が明文化されており(民法521条)、「契約を締結するか否か」「どのような客と契約するか」「どのような条項を設けるか」について、原則として当事者が自由に決定できる。
これに加え、店舗の所有者・管理者には、施設を包括的に管理する権利である「施設管理権」も認められている。
こうした根拠から、「食事中のスマホ使用禁止」のほか、「お子様お断り」「マスク着用のお願い」といった独自ルールを設けること自体は、原則として適法と考えられるという。
「店側が事前に掲示や公式サイトなどでルールを周知し、かつそのルールが合理的な範囲にとどまる場合には、当該店舗を利用する以上、客側は店のルールに従う必要があります。
また、客がルールを知りながらあえて違反した場合は、店側からの是正要求や退店要求に応じるべき立場となります」(宮本弁護士)
もっとも、飲食店によるルールの設定は無制限ではない。
また、ルールの内容が、店舗運営上の正当な目的(回転率の維持、他の客の静穏な食事環境の確保、衛生管理など)と合理的な関連性を有していることも必要とされる。
「今回の『スマホ使用禁止』ルールについては、ラーメン店のように回転率が経営に直結する業態では、動画視聴による食事時間の長期化が他の顧客の待ち時間に影響することから、合理性が認められやすいケースといえます」(宮本弁護士)
ルールの事前告知・周知は必要
ただし、客が来店前にルールを認識できるよう、店頭での掲示や、公式サイト・SNSによる事前周知も重要だ。事前周知がなされている場合とそうでない場合とでは、退店要求の正当性(後述)の評価にも影響するためである。「一般的には事前周知があってこそ、『客はルールを認識したうえで来店・注文した』と評価され、『店舗側の独自ルールが飲食提供契約の内容として組み込まれた』と解釈されやすくなります。
逆にいえば、いかに合理的なルールであっても、事前周知が不十分な場合には、『客がそのルールの存在を知らされないまま契約を締結した』と評価され、退店要求の正当性が損なわれるおそれがあります。したがって、ルールの内容と事前周知はセットで整備しておくことが重要といえるでしょう」(宮本弁護士)
また、退店を求める行為は、客が店側の注意・是正要求に従わない場合、他の客に迷惑を及ぼす行為(大声・騒音・迷惑な撮影など)が継続する場合、泥酔・暴言・暴力行為など店舗運営の平穏を害する行為がある場合などでは、とくに正当と評価されやすくなる。
「今回の事例では、事前に店頭で周知されたルールへの違反であり、注意に対しても是正されなかったというのであれば、退店要求は正当な権利行使の範囲内と解される余地が大きいといえるでしょう。
逆に、軽微な違反に対して注意も行わずいきなり退店を命じるケースなど、『相当性』を欠く場合などには、退店要求自体が権利の濫用と評価されるおそれがあります」(宮本弁護士)
店側の対応が「違法」となる場合は?
上記のように、ルール違反を犯した客の退店を求めることは、飲食物提供契約上の権利および施設管理権の正当な行使として、原則的には適法だ。ただし、宮本弁護士によると、退店を求めること自体が適法であっても、その方法・態様が社会通念にてらし相当でない場合には、不法行為として店側が損害賠償責任を負う可能性があるという。
「たとえば、暴力を振るったり、他の客の面前で人格を否定する発言をしたり、怒鳴りつけるなど威圧的な態度で迫ったりする場合がその典型例です」(宮本弁護士)
その場合、民法上の不法行為だけでなく、刑法上の「犯罪」が成立する可能性もある。
具体的には、まず、店主やスタッフが客を強引に追い出そうとして、客の身体に向けて不法な有形力を行使した場合(※)は暴行罪(刑法208条)が成立しうるほか、負傷させれば傷害罪(同204条)となる。
※殴る・蹴るだけでなく、非接触の威圧的な行為も含む
また、スマホなど客の所持品を無断で取り上げたり壊したりすれば、器物損壊罪(同261条)が成立する可能性がある。
このようなリスクを回避するには、どうすればよいのか。
「店側が正当に退店を求めたにもかかわらず、客が合理的な時間が経過しても退去しない場合には、その当該客に不退去罪(同130条後段、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)が成立しうることになります。
したがって、店舗側としては実力行使に出るのではなく、明確に退店を求めたうえで、応じない場合には警察を呼ぶという対応が、法的リスクを最小化するうえで適切です」(宮本弁護士)
SNSへの投稿で法的責任を問われる可能性も
退店要求とは別の問題として、今回の事例のように、事後にSNS上で客の行為について投稿するケースにおいては、客個人を特定可能な形で批判的な内容を発信すれば、民事上の名誉毀損・プライバシー侵害に基づく損害賠償請求の対象となりうる。また、刑事上も名誉毀損罪(同230条)、侮辱罪(同231条)が成立する可能性がある。
店側としては伏せ字やモザイクなどで匿名化したつもりであっても、投稿の文脈から客個人が特定可能な場合には民事・刑事の責任を負うリスクが生じ得るため、注意が必要だ。
トラブルを予防する方法
今回のような退店トラブルを防ぐために、飲食店側はどのようなルール設定や運用をしておくことが望ましいだろうか。まず、ルールの明確化と事前周知が最も重要だ。公式サイト・SNS・店頭掲示・券売機周辺・メニュー表など、複数媒体でルールを周知することが望ましいといえる。
また、ルールの設定と周知の際には目的(「回転率を維持し、お待ちのお客様にも早くご提供するため」「他のお客様の食事環境を守るため」など)を併記し合理性を明確にすることで、顧客の納得を得やすくなる。
さらに、違反した場合の対応手順(例:まずは口頭で注意→改善がなければ退店をお願い→それでも退去しない場合は警察への通報)を明示しておくことも有用だ。
そして、対応手順のマニュアル化と従業員教育も重要である。従業員ごとに対応がばらつくと、「他の客には許されたのに自分だけ退店を求められた」という、客側からの差別的取り扱いの主張を招くおそれがあるためだ。
全従業員が同一基準でルールを運用できるよう、定期的な研修と事例共有を行うことが望ましい。また、店内防犯カメラや音声記録により、注意に至った経緯を客観的に残しておくことも、後日の紛争に備えるうえで有用だ。
「ルール設定・SNS投稿・トラブル時の対応方針については、事前に弁護士に相談しておくことで、後日の紛争リスクを大幅に低減することができます。
とくに炎上後のSNS対応は、名誉毀損・発信者情報開示請求対応などの新たな法的リスクを招きやすいため、専門家への早期相談が望ましいといえます」(宮本弁護士)

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