「オイルがない」 自動車整備ピンチ…

アメリカなどのイラン攻撃から約2か月半が経過しています。この長期化によって、自動車関連業界はどんな影響を受けているのでしょうか。

愛知県北名古屋市の「大島自動車」。

創業約60年。これまで整備を中心に行ってきましたが、日に日に中東情勢の影響が強まっています。

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(大島自動車 大島泰一社長)
Q.イランを巡る戦争が長期化している影響は?
「めちゃくちゃ影響がある。オイルがない。ブレーキオイル、エンジンオイル、それからシンナー。あとお金もない」

イラン情勢長期化 「オイルがない」自動車整備ピンチ… オイル交換の新規受付ストップ 原油調達どうなる? 専門家「前の状況に戻るのは困難」
CBC

「オイルの定期交換」しないと走行トラブルに

自動車が走るために欠かせないのがエンジンオイル。役割は、潤滑・冷却・洗浄・防錆など多岐にわたり、心臓部であるエンジンを守ります。しかし、エンジンオイルは自動車に必要量を1回入れて終わりではありません。

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走っている間に徐々に汚れてくるので、所有者は定期的に交換しないとエンジンがダメージを受け走行トラブルに繋がります。

(大島社長)
「(この間もあったが)高速道路で軽自動車から音がして、オイルが足りなくてエンジンが壊れた」

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オイル交換の新規受付をストップ

一般的にはオイルメーカーは走行5000キロ、または半年に1度の交換を推奨しています。

(大島社長)
Q.エンジンオイルがなくなったら車は走らない?
「絶対走らない。膝に油がないのと同じ」

大島自動車では、イラン情勢悪化とともに徐々に仕入れが滞り、オイル交換の新規の受付は4月中旬にストップしました。

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置かれていたのは、一般的なガソリン車のエンジンオイルをためておくタンク。満タンで200リットル入りますが、残りはわずか50リットル(10台分)のみ。

6月には新たなオイルが届く予定だといいますが…

(大島社長)
「たまたま運良くもうすぐ来るが、この先はどうなのって」

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ディーゼルオイルは入荷のめど立たず…

まさに「綱渡り」の日々。もっと深刻なのは、トラックなどに使われるディーゼルエンジン用のオイルです。20リットル入りの缶が残り2つ(6台分)しかなく、こちらは入荷のめどが立っていません。

(大島社長)
Q.これがなくなればディーゼルの整備は?
「オイル関係はごめんなさいと…」

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さらに…

(大島社長)
Q.ブレーキオイルは現時点で3缶?
「はい」

ブレーキオイルは、ブレーキを適切に作動させるための大事な役目がありますが、こちらも残りわずかです。

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「品物がないというのは初めて」

会社は整備のほかに中古車の販売がもう一つの経営の柱ですが、その中古車を販売するにもオイル類の整備は不可欠です。

(大島社長)
Q.こんな状況は今まであった?
「全然ない、初めて。お客さんが来ないのなら分かるけど、品物がないっていうのは初めて」

Q.国に対して言いたいことは?
「今まで通り(オイルが)入ってきているのか調べてほしい」

どこかに目詰まりがおきているのか?もう国内では枯渇しているのか?現場はいつまで我慢を強いられるのでしょうか。

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専門家「前の状況に戻るのは困難」

専門家に聞いてみると…

(明海大学 小谷哲男教授)
「少なくとも(イランが攻撃された)2月28日以前のように、“自由に安全にホルムズ海峡を通る”というところに戻ることは長期的に難しい。少なくとも数年間はおそらくない」

(大石邦彦アンカーマン)
「原油の調達先は、アメリカの割合が増えてきた。アメリカの原油を調達できるということになれば、エンジンオイルなど潤滑油の品薄は解消される?」

(小谷教授)
「一定程度、今の状況を改善していくことはできる。ナフサについても、アメリカはナフサを使わず むしろ余っている。アメリカからナフサが入ってくれば、供給も安定していくのでは」

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しかし、アメリカから原油などを調達できたとしても、気になるのは価格。

(小谷教授)
「原油の“質”がアメリカ産のものと中東産のものとは違うので、日本に持ってきて生成する時にコストがかかってしまう。

大きなタンカーで運ぼうと思うと、かなり大回りの喜望峰を回るルートになっていまうから、やはり時間もコストもかかる」

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