ハル・ハートリー監督が11年ぶりの新作『トゥ・ランド』に込めた想い 日本のファンへのメッセージが到着
映画『トゥ・ランド』ポスタービジュアル (C)Hal Hartley / Possible Films, LLC

1990年代に『トラスト・ミー』『シンプルメン』などシニカルかつユーモラスで瑞々しい名作を連発し、ニューヨークのインディペンデントシーンを象徴する監督となったハル・ハートリー。この度、11年ぶりの新作映画『トゥ・ランド』が4月25日(土)に劇場公開を迎えるのを前に、日本のファンへのメッセージが到着した。



本作は、どこかハートリー自身を思わせる映画監督を主人公に、周囲が「余命わずか」だと勘違いしたことで巻き起こるささやかなドタバタ騒動を描く。監督の分身ともいえるジョーを演じるのは、『シンプルメン』で主人公兄弟の弟を演じた盟友ビル・セイジ。さらに『シンプルメン』『ロボコップ3』のロバート・ジョン・バークや『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』のイーディ・ファルコら、ハートリー組からキャリアを開花させたかつての仲間も再結集を果たした。



ハル・ハートリー監督が11年ぶりの新作『トゥ・ランド』に込めた想い 日本のファンへのメッセージが到着

ハル・ハートリー監督が11年ぶりの新作『トゥ・ランド』に込めた想い 日本のファンへのメッセージが到着

ハル・ハートリー監督が11年ぶりの新作『トゥ・ランド』に込めた想い 日本のファンへのメッセージが到着

ハル・ハートリー監督が11年ぶりの新作『トゥ・ランド』に込めた想い 日本のファンへのメッセージが到着

メッセージの中でハートリーは、かつて東京で撮影した『FLIRT/フラート』を振り返り、「日本の観客はいつも大切な存在です。僕の90年代の最良の仕事は東京で撮影した『FLIRT/フラート』だと思っていますし、大切な友人や、家族のような人たちも大勢います。そして僕の作品にいつも関心を寄せていただき、心から感謝しています」と、長年にわたる日本の観客との絆に対して謝意を示した。



さらに「『トゥ・ランド』こそが一番の手紙かもしれません。この映画では、いま僕が何を考え、何について憂慮し、何に惹きつけられ、目指すものがどう変わったかを描いています」とし、本作が現在の自分自身の内面を映し出した作品であることを強調した。



映画づくりへの姿勢についても「もう40年以上、映画を作ってきました。自分自身が人生で成長してきたように、映画作りも成長させようと努めてきました」と回想。本作については「僕は今、シニア世代の視点から映画が作れることを喜んでいます。成熟した大人が歳を重ねながら自分に問いかけるありふれた疑問──、つまり、若さや、テクノロジーや、同世代のほかの人々や、最近の流行や、未来や過去、要するに歴史と自分との関係がどう変わったのかに目を向けてみると、そこには語るべきことが驚くほどありました」と製作の動機を明かした。



メッセージの最後には、「愉快でありながら、深く考え、感じることができる映画を目指したつもりです。でもどうかお気軽に。僕自身、ただジョークに笑いたくてこの映画を観直したりしていますから」と添え、茶目っ気たっぷりに結んだ。



また、『ナミビアの砂漠』の山中瑶子監督をはじめ、各界の著名人による推薦コメントも到着した。さらに、ユーロスペースでの上映期間中は、豪華ゲストを招いたトークショーも実施される。



<作品情報>
『トゥ・ランド』



4月25日(土)公開



【ユーロスペース トークショーゲスト】
4月25日(土):宇多丸(RHYMESTER)
4月26日(日):奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
5月2日(土):豊島圭介(映画監督)『#真相をお話しします』『三島由紀夫vs東大全共闘~50年目の真実~』
5月3日(日):深田晃司(映画監督)『恋愛裁判』『LOVE LIFE』



公式サイト:
https://toland-movie.com/



映画『トゥ・ランド』ハル・ハートリー監督メッセージ&著名人による推薦コメント全文

■ハル・ハートリー



ハル・ハートリー監督が11年ぶりの新作『トゥ・ランド』に込めた想い 日本のファンへのメッセージが到着

日本のファンの皆さん、批評家の皆さん、
そして純粋に興味を抱いてくださった皆さんへ



日本の観客はいつも大切な存在です。僕の90年代の最良の仕事は東京で撮影した『FLIRT/フラート』だと思っていますし、大切な友人や、家族のような人たちも大勢います。そして僕の作品にいつも関心を寄せていただき、心から感謝しています。



皆さんに宛てて何か書いてほしいと言われました。でも、『トゥ・ランド』こそが一番の手紙かもしれません。この映画では、いま僕が何を考え、何について憂慮し、何に惹きつけられ、目指すものがどう変わったかを描いています。それこそが核心だという気がします。

人生を通じ、僕たちがいかに変化し、そして変わらずにいるのか、ということが。



もう40年以上、映画を作ってきました。自分自身が人生で成長してきたように、映画作りも成長させようと努めてきました。このうつろいゆく世界に生きることで、別の物語、別のテーマ、そして別のやり方へと背中を押されながら。



そうやって最新作の『トゥ・ランド』も生まれました。僕は今、シニア世代の視点から映画が作れることを喜んでいます。成熟した大人が歳を重ねながら自分に問いかけるありふれた疑問──、つまり、若さや、テクノロジーや、同世代のほかの人々や、最近の流行や、未来や過去、要するに歴史と自分との関係がどう変わったのかに目を向けてみると、そこには語るべきことが驚くほどありました。



どうか楽しんでください。愉快でありながら、深く考え、感じることができる映画を目指したつもりです。でもどうかお気軽に。僕自身、ただジョークに笑いたくてこの映画を観直したりしていますから。



ありがとう。



ハルより



■奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
規模に関わらず自分の映画は自分でコントロールする。ハル・ハートリー監督が貫いてきたDIY精神と、人生の後半に入っても好奇心を持ち続け、生き方のハンドルを握る主人公が重なります。愉快な不協和音に笑い、そこに残った哀愁をねぶるようなハートリー映画でしか味わえない歯応え。たまんないっす。



■カジヒデキ(ミュージシャン)
ニューヨーカーならではのクールさと、ゴダールやロメールなどヌーヴェル・ヴァーグ映画の影響を今でもそこはかとなく感じさせるセンスや味わい深さ、品の良さが最高に好き。
一見淡々と進んでいくストーリーが、後半一気に怒涛の展開を見せるところもハルらしくてニヤニヤしてしまった!
ニューヨークの叔父さん版『5時から7時までのクレオ』と言ったら違うかな? でもそんな満足感!



■矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)
60歳を過ぎ、自分の人生の「着地点」を問う『トゥ・ランド:着地』というタイトルセンスが刺さる。示唆に富む哲学的ダイアローグはハートリー監督の真骨頂だが、老境を前に軽やかさが増し、実に爽やかに人生を語ってくれる。押しの強い映像作品が溢れる現代において、例外的に風通しが良く、知能を刺激されながらもデトックス効果を備えた滋味深い逸品だ。



■山中瑶子(映画監督)
なんという軽やかさ。
この作品をもって終わるつもりだというが、そこにあるのは終止符の重みよりも、欲や野心からすっと身を引いたようなあそび、さらりとサインを残すような身振りだ。
そのかっこよさは、ハル・ハートリーだけがもっている。



(C)Hal Hartley / Possible Films, LLC



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