「ラーメン屋でアダルト動画を観て…」非常識すぎる客に人気店の店主が激怒  ”ながら食い”客問題に店主は「できたてを食べてほしい」「外国人のほうが行儀がいい」
「ラーメン屋でアダルト動画を観て…」非常識すぎる客に人気店の店主が激怒 ”ながら食い”客問題に店主は「できたてを食べてほしい」「外国人のほうが行儀がいい」

「お食事中のスマホ禁止。守れない方は迷惑なので帰ってください。

返金はしません」埼玉県春日部市の人気ラーメン店が扉や卓上などに出した注意書き。店主によれば「注意しても理解してもらえなかったので帰ってもらった客もいる」という。その結果「良質なお客さんが増えています」とも。いま、人気ラーメン店の店主たちが考えていることを聞いた。

「お帰りください」人気ラーメン店・店主が怒りを爆発させた“ある客”の行動

「コラ! 食事中はテレビ禁止!」

昭和の時代はこんな言葉が家の食卓で飛び交ったこともあったが、現在でもスマホを見ながらの“ながら食い”は各家庭における悩みの種ではないか。

埼玉県春日部市の人気ラーメン店『煮干乱舞』の店主、川田雄一さんはあることがきっかけでラーメンが着丼してから“ながら食い”をしていた客を退店させた。

「今年1月末頃のランチタイムど真ん中の時間帯のことです。お食事中にエロ動画(アダルト動画)を観てる客がいました。もちろんイヤホンはしてましたけど、たまたま見えてしまって、周囲を気にしないその行動も異常で最悪だと思いました。

僕は『観るのをやめてください』とまではさすがに言いませんでしたけど『注意書き見てますか、お帰りください』と帰ってもらいました」

食べかけではあったものの返金はせず、川田さんは客を退店させた。そして「それまでは『ながら食いはご遠慮ください』という注意書きをしていましたが、そのことがあったので『ながら食い禁止』と書き換えました」という。

「その人は30代くらいの普通の会社員風の一般男性でした。一見、普通の方が公共の場でそういう動画を観ながら食事をしていたんです。

注意書きは入り口にも席の目の前にも貼ってあったのに、読まないし見てもいない。

『ここに書いてありますよね、スマホご遠慮くださいって』と言っても『そうなんですか?』みたいな反応で。動画を観ている人って大体そうなんです。『スマホ禁止』の貼り紙にスマホを立てかけて見ている人もいるくらいです」

あまりにモラルに欠けた行為だが、「スマホ禁止」の注意書きに換えてから客の態度は変わったのだろうか。

「今でも注意書きを見ない客はいて、そういう場合は店員が気づいた範囲内でお声かけしています。でもこうしてニュースに取り上げていただいたりすることで少しずつ理解あるお客さんが増えてきて、ルールを守れない客は減っています」

アダルト動画はともかくも、なぜラーメン店で“スマホのながら食い”が嫌がられるのか。川田さんに率直に聞いた。

「うちも入店したらスマホ禁止とまでは言ってないし、お食事前のスマホ使用や撮影を禁じているわけではないです。“スマホのながら食い”は明らかに箸が止まる時間が長くなり、当店の細麺は伸びやすくできたてを美味しい状態で食べてほしいからです。飲食店として美味しい状態で食べてほしいと願うことは当然のことだと思います。

それに当店はありがたいことに行列ができることもあります。長く待っている間にお客様が帰ってしまうこともあります。

他の外食産業と比べて利益率が低く、回転率が経営に大きく関わってくることもご配慮いただきたいです」

「店を維持するのはやはりお客様の理解と応援の気持ちあってこそ」

さらに、川田さんよりも前に「スマホはご遠慮ください」と店に注意書きを出した店主もいる。日本有数のラーメン激戦区、高田馬場にある『博多ラーメン でぶちゃん 高田馬場本店』の店主、甲斐康太さんだ。

「私が『ながら食いをご遠慮ください』という注意書きを卓上に設置したのは2023年3月ですね。2018年開業当時もすでにスマホは普及してたし、『ながら食い』するお客さんはいましたけど全体の1、2割ほどでした。

でも今は若い世代は友だち同士で来ても『ながら食い』してますからね。満席なのに周囲を気にしないお客さんがあまりに多いことから注意書きを出しました。

出した当時は反響があったし、実際、それに反発する方は来なくもなりました。でもゼロにはなってません。もうあきらめています(笑)」

また、甲斐さんは「昨今のインバウンドの迷惑行為ばかりが取り沙汰されるが、むしろラーメン店では観光客のほうがお行儀がいい」と言う。

「中国や韓国の方は日本人と同様に『ながら食い』は散見されますが、欧米のお客さんなどで『ながら食い』してる人は見たことがないですね。

それらの国の方は接客にはチップが必須ですから、日本のように『お金払ってるんだから、何してもいいだろ』的な態度の方はいませんし、『美味しかった』と感謝さえしてくれますからね。

自国で食べたらラーメンは3000円から5000円しますから、日本で1000円程度で食べられることへの感謝も感じます」

甲斐さんは「スマホのながら食いは単なるマナーの問題だけではない。

ラーメン業界の衰退にも関係している」と嘆く。

「ラーメン店のような専門店は日本ならではの独自のサービス業態です。低コストでの開業で高品質の食品を提供できるという、店にも客にもメリットしかない業態なんです。そういった店を維持するのはやはりお客様の理解と応援の気持ちがあってこそ。

『ながら食い』をされて、店の回転率を下げることは長い目で見たらラーメン業界の首を絞めます。まあ利己的なお客さんばかりなのは承知の上なので、私はあきらめていますけど(笑)」

「ラーメンぐらい好きに食べさせてほしい」と言いたいお客も多いだろう。だが、ラーメン店でのスマホのながら食いは何を招くか、もう一度考えて目の前の丼に向き合う必要があるのではないか。

取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班

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