「親の介護」と聞いて、食事の介助や排泄の世話を真っ先に思い浮かべてはいないだろうか。だが、必ずしもそうとは限らない。
緩和ケア医でもある岡山容子氏の書籍『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』より一部を抜粋・再構成し、親の介護の本質とは何かを解く。
「親の介護」とは「司令塔になること」
ぜひ知っておいてほしいこと。それは、「親の介護において子どものすることは、実際に親の面倒をみることではない」ということです。
おむつを替えたりごはんを作って食べさせたりといった「実際のお世話」をすることが親の介護ではありません。
勘違いされている人も少なくないのですが、子どもがする親の介護とは、「親が受ける介護や医療サービス全体の司令塔になること」です。
親の面倒をみようとしても、実際に自分一人でやるのは限界があります。自分にも自分の家族がいたり、仕事があったりもします。
だから、まずやるべきは、「地域包括支援センター」とつながり、「親の介護全体の司令塔となること」です。
私の場合、父との関係がこの状況に近いといえるでしょう。
母が亡くなったあと、父は母を看取ったサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)を経て、2026年1月現在、特別養護老人ホームに入所しています。
最低限のかかわりはするものの、私は施設に積極的に見舞いに行くわけではありません。私以外の姉妹は時々電話しているようですが、私は自分からは電話しませんし、電話がかかってきても姉に「用事が何か聞いてー!」と丸投げします。
姉妹のうち誰かが行くなら見舞いに同行しますが、自分一人では行きません。
時に体調が悪くなれば、施設は入院に向けて動いてくださいます。
連絡を受けた私は入院の手続きをするために病院に向かいます。入院の手続きを終えたら病室に行って、ほんの数分会って帰ります。
先日は、入院の手続きを終えて、父が救急室から病室のベッドに移ったのを確認し、テレビカードを購入して手渡して帰ろうとすると「え? もう帰るんか!?」と言われたことがあります。私は驚いて、「えー、じゃあ、ここにいて何するん?」とうすら笑いで答えてしまいました。
――いろいろえらそうに書いていますが、自分自身はこんな感じです。
要は、全体的なケアの方向性を「このようにしてもらいたい」とお願いして、実際の介護や治療はケアマネジャーさん率いるチームにお任せしているということです。
私は実際の父の介護にはかかわっていませんが、チームのみなさんに父の介護や治療は適切にしていただいています。
経済的に困窮している場合は
「生活が成り立たない」という状況で子どもに連絡が来る場合、「経済的に困窮」していることがあります。こちらもちょっとハードルが高い問題です。ですが、これも「プロにお任せ」するのがいいと思います。
「プロ」というのは、この場合「地域包括支援センター」ではなく、「お役所」が適切かと思われます。
なぜかというと、「生活保護」の申請を検討したほうがいいからです。そうなるとお役所の「生活保護課」が適切です。
「生活保護?」と驚かれるかもしれませんが、一定の条件で生活保護を受給できる可能性があります。
もちろん市区町村によって、生活保護の受給の可否やできやすさは異なります。相談した結果、受給できないことも多いかもしれません。
しかし、生活保護は受給できなくとも、相談するだけでも、なんらかの経済的な対応についてのヒントをもらえる可能性があります。
生活保護を受給するほど収入がないというわけではないけれど、親が収入以上に使うので生活に困窮しているという場合もあります。
その場合は、クレジットカードを止めるとか、現金で生活している場合は、付き合いのあるお店などに「ちょっと認知機能が下がっていて、支払いが難しいので、本人から注文されても商品を売らないでください」とお願いすることも一案でしょう。
家に行くと、通販の商品が山積みになっていてぞっとしたなどの体験談もよく耳にします。
水とかサプリメントとか継続型のものも少なくありません。継続型を見つけたら、すぐに停止することが必要かなと思います。
先延ばしにするのではなく、ちゃんと助けを求めること
経済的にはとても困っているものの、持ち家があって、生活保護を受給できないという場合もあります。
その場合であっても、「リバースモーゲージ(自宅を担保にして生活資金を借りること)」などの民間の制度を利用して、とりあえずのまとまった現金を手にすることもできたりします。
お役所に行って生活保護の申請をしたり、経済的な知識を得るためのサポートをしてもらってください。
たとえ関係のよくない親の「経済的な困窮」という大きな問題があったとしても、なすすべがないわけではありません。
必ず「助けてほしい」「教えてほしい」ということを、お役所や地域包括支援センターなどで伝えてほしいと思います。
毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ
岡山容子
関係のよくない親の介護や看取りが不安なあなたへ。
毒親だった母を在宅で見送った医師による体験談と看取りの知識&心得がわかる本
40代から60代にかけて直面する、親の老いと死。
親との関係がよくても不安になる人も多いのに、関係のよくない親なら、なおさら不安や怖い気持ちになるのも当然です。
・親との関係がずっと悪く、できることなら関わりたくない
・親が苦手で、なんとなく実家とは距離をとっている
・「毒親」とまでは言えないが、付き合いづらい親だ
・親がしょっちゅう人間関係やお金のトラブルを起こす
・親の価値観を、今でも押し付けてきて嫌な思いをする
著者は、京都で訪問診療・緩和ケアに携わる医師であり、真宗大谷派で得度した僧侶でもある岡山容子氏。
数多くの看取りに立ち会ってきた専門家でありながら、自身もかつて「毒親」だった実の母を、長年の葛藤の末に看取った経験をもっています。
(本文より一部抜粋)
親が死んでしまったあとも、あなたの人生は続きます。
そのときに、苦しんでしまったり、大きな後悔が襲ったりすることが少ないよう、できたらお別れはしたほうがいいとおすすめしています。
ただ、そのためにあなたが親との関係で最後の最後までつらい思いをするのならば……捨ててもいい、とも思っています。
親子の形はそれぞれ、見送り方もそれぞれです。
正解などはないのです。
そして「あなたはどうするのか」ということです。
それを、みなさんそれぞれに考えるヒントにしてもらうために、本書を書きました。

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