オリジンの消えた「惣菜量り売り」の復活を望む声、一部商品で始まった再導入と今後の展望を広報に直撃
オリジンの消えた「惣菜量り売り」の復活を望む声、一部商品で始まった再導入と今後の展望を広報に直撃

かつて「オリジン」の象徴でもあった、好きな惣菜を好きなだけ選べる「量り売り」。コロナ禍で衛生意識が高まり、店頭からその姿を消して久しいが、今なおSNSでは復活を熱望する声が絶えない。

多くのファンに愛されたあの「自由なスタイル」は、再び全国に広がるのか。運営会社を直撃した。

オリジンの量り売りは復活する?

何かとせわしない新年度の始まり。仕事終わりに自炊する気力がない時、レンジでチンでは味気ない時、近くのスーパーや惣菜店に助けられてきた人も多いのではないだろうか。なかでも「オリジン」の惣菜は一人暮らしや忙しい現役世代たちの強い味方だろう。

全国で400店舗を超える一大チェーン「キッチンオリジン(オリジン弁当)」。店内調理にこだわり、お弁当だけでなく主菜や副菜も選べる同店において、かつてはバイキングのように好きな惣菜を好きな分だけ取り分ける「量り売り形式」が革新的であった。

しかし、その光景はいつしか店頭から姿を消した。現在はそれぞれの惣菜が個包装になり、あらかじめパッキングされたものを選ぶ形式が主流となっている。

なぜ量り売り形式から個包装形式へと切り替わったのか。オリジン東秀株式会社 経営戦略部 メディア広報の担当者はその背景を次のように語る。

「個包装形式の導入は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした衛生意識の高まりが大きな背景にあります。加えて、お客さまが安心して商品をお選びいただける環境づくりや、セルフレジ普及による利便性向上、商品の取りやすさ・選びやすさといった観点からも導入を進めてまいりました」

個包装形式は、衛生面での安心感に加え、手に取りやすさやスムーズな会計といった利便性に優れているのが特長だ。

しかし、オリジンの量り売りスタイルに対して、SNS上では復活を望む声が根強く上がっている。

《オリジンの量り売りはもう戻ってこないんだねぇ》
《オリジン、もうコロナ禍も脱したのになぜ量り売りを復活させない?》
《コロナで最大の損失は『オリジンから量り売りが、無くなった。』です》

こうした利用者の声に対してはどのように思っているのか。

「量り売り形式を支持してくださるお客さまのお声は、当社としても大変ありがたく受け止めております。今後も、お客さまのご期待にお応えできるよう、提供方法の検討を続けてまいります」

量り売りの歴史

そもそも量り売りはどのようにして生まれたのか。その歴史は深い。

「量り売りスタイルはオリジンの成長を支えてきた象徴的な販売形式です。お客さまが好きな量を自由に選べる利便性と楽しさが支持され、当社の成長を支えてきた重要な提供方法のひとつと考えております」

創業当時は、量り売り惣菜を対面で販売するのが主流だったという。ただ、販売方法の開発を検討する中で、従来とは異なる売り方の可能性を模索し、「セルフ方式による均一価格の量り売り」を着想したそうだ。客自らが惣菜を容器に盛りつけ、惣菜の種類に応じて100g単価で精算する量り売りである。そのきっかけは何だったのか。

「創業者である安澤英雄によるアメリカ視察です。現地で価格の分かりやすさの重要性を実感し、お客さまにとって選びやすい販売方法として、量り売りの均一価格を導入しました」

和洋中、サラダ、揚げ物など様々な種類の惣菜が並べられていた量り売りスタイル。

まさに「オリジンと言えば」と懐かしむ人もいるのではないだろうか。そんなオリジンの数多くの惣菜の中で人気商品を単刀直入に聞いた。

「『唐揚げ』は人気No.1です。他にも『海老とブロッコリーのサラダ』などの定番商品も、幅広い世代のお客さまにご好評いただいております。意外と知られていないですが、おすすめのお惣菜は中華です。なかでも『四川風麻婆豆腐』は特におすすめです。当社は1966年に世田谷区に開店した中華料理店「東秀」が原点であり、中華系のお惣菜に特にこだわりと自信があります」

こうした中で、量り売り形式が復活した事例も出てきている。

「一部店舗にて『若鶏の唐揚げ』や『とり天』などの量り売り形式を再導入したところ、お客さまからご好評の声をいただいております。他商品の展開についても検討している段階です」

量り売りスタイルを熱望する人たちの声は確実に届いているようだ。

健康と楽しい食事を

時代に合わせて販売形式を変化させてきた同社だが、その根底にある思いは一貫している。広報担当者は最後にこう話した。

「毎日の食事においしさとともに心と身体を満たすひとときをお届けし、これから先も気軽で安心して選べる身近な存在であり続けたいと考えています。

今後もオリジンは、続けられる健康と、楽しい食事をお届けできるよう努めてまいります」

時代に合わせ、店舗形態や販売形式を進化させてきたオリジン東秀。トレーに並べられた惣菜たちが復活する未来も遠くないかもしれない。

取材・文/小島ゆう

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