〈クマ出没警報も発令〉「冬眠明けはガリガリに痩せているはずですが…」体重125キロのクマが市街地に「麻酔銃、電気ヤリで駆除」岩手では早くも犠牲者か…相次ぐクマ被害2026
〈クマ出没警報も発令〉「冬眠明けはガリガリに痩せているはずですが…」体重125キロのクマが市街地に「麻酔銃、電気ヤリで駆除」岩手では早くも犠牲者か…相次ぐクマ被害2026

クマ被害が相次いでいる。盛岡市の南に位置する岩手県紫波町の山林で21日、行方不明者を捜索していた警察官がクマに襲われ重傷を負う事案が発生した。

また宮城県では、普段はこの時期、冬眠明けでやせ細っているはずのクマが体重125キロの巨体で市街地に出没し駆除されている。東北地方では4月に入りクマの出没が相次いでおり、宮城県内では運用開始以来初となる4月の「クマ出没警報」が発令されるなど、異例の事態となっている。

岩手県では早くもクマによる犠牲者か…

岩手県でクマによる事案が発生したのは21日午前9時50分ごろ。紫波町山屋鍋沢付近の山林地帯で、紫波署の男性署員(56)が、クマに襲われ重傷を負った。警察官とハンターによる行方不明者の合同捜索中に、潜んでいたクマに男性署員が遭遇した。顔や腕、太ももを引っかかれたり咬まれたりしたものの、病院への搬送時も意識があったという。

「顔面の皮膚や肉がえぐれるほどの重傷ではありますが、男性署員の意識はあります。幸いにも縫うまでには至りませんでしたが、目にも損傷を受けていると聞いています。会話は可能な状況です。体の一部が欠損するような事態は免れましたが、復帰にはかなりの時間を要する見込みです」(同署幹部)

事案の端緒は20日午後5時45分ごろ、現場近くに住む人からの「エンジンがかかったままの軽自動車が停まっている」という110番通報だった。同日夕方から警察官が捜索にあたり、付近はクマの出没地であるため、21日午前9時40分からハンター3人と警察官4人の計7人が二手に分かれて本格的な捜索を開始した。

同署関係者によれば、捜索開始時には細心の注意を払っていたという。

「もともとこのあたりでは、クマが出そうと聞いていました。

クマがいると危ないので、捜索開始時には花火(爆竹)を数本鳴らしています。ところが、そのわずか10分後、別の班がクマを発見。見つけた班員が『クマだぞー!』と大声を上げました。

するとクマが男性署員のいる別の班の方向へ突進し、襲いかかったのです。男性署員を襲ったクマは、同行していたハンターが午前10時ごろ、駆除しましたが…」

その後、機動隊を動員して周辺を再捜索したところ、数十メートル離れた沢のくぼ地で、成人女性の遺体が横たわっているのを発見した。遺体はクマと思われる動物に激しく引っかかれた痕跡があるという。

「DNA鑑定などの照合を進めなければ、身元の特定が困難なほどの状態です。放置されていた車の持ち主の女性と連絡が取れていないことから、司法解剖を進めるなどして、慎重に調べているところです。また、駆除されたクマは成獣で、解体後の調査では胃はほとんど空の状態でした。

同署内ではクマにこれまでの常識が通じないと、署内では話題になっています。これまでは爆竹や鈴などの音を鳴らせば逃げると思われていましたが、今回は花火のわずか10分後に襲われている。音慣れしているんですよね…。

男性署員のケガもひどく、恐ろしい事態です」(同署関係者)

通常、冬眠明けのクマはガリガリに痩せているはずが… 

東北地方では4月に入り、クマの出没がかつてないペースで急増しているという。特に宮城県では19日、異例の「クマ出没警報」を発令した。

県の担当者によれば、クマ出没警報は県内全域を対象としたもので、4月の発令は過去初めてとなる。その象徴的な事件が、19日に仙台市中心部で発生した冬眠明けとみられるクマの居座りだ。

クマが目撃されたのは、18日午後11時ごろ。JR北仙台駅から西に約250メートルの場所だ。このクマは冬眠あけで、エサを求めて人里に下りていたとみられる。その後はさらに南側で目撃情報が相次ぎ、最寄りの警察署には同一個体とみられるクマの十数件の情報が寄せられていたという。

翌日の19日午前7~8時ごろ、クマはマンションの敷地内に居座った。現場は、宮城県庁から北へ約800メートル離れた市街地で、東北大学病院や大型商業施設が建ち並ぶエリアだ。警察官は周囲への立ち入りを規制し、近隣住民に注意を呼びかけた。

市は当初、箱わなでの捕獲を試みたが、日没が近づいてもクマは移動しなかった。捕獲後、市の担当者は報道陣の取材に対して、「当初は箱わなでの捕獲を目指していたが、捕らえられなかった時にさらに移動する危険性を考慮して緊急銃猟(発砲)に踏み切った」と話している。

午後6時半ごろ、市が委託した業者が麻酔銃2発を撃ち、命中。その後に電気ヤリを用いて駆除した。クマは体長約1.5メートル、体重125キロのオスの成獣だった。捕獲に関わった関係者の間では、驚きの声が上がっているという。

県の担当者は、「通常、冬眠明けのクマはガリガリに痩せていることが多いのですが、今回の個体はある程度の重さがありました」と説明する。

市の担当者は、「冬眠あけでここまでの体重の重い個体は滅多にありません」と話す。

仙台市はAIカメラの導入へ

宮城県によると、県内での4月中のクマ目撃件数は22日時点で60件に達している。これは過去5年の同月平均の約2倍だという。

「4月中に目撃件数がこれほど増えるのは非常に珍しく、特に先週末から急増しました。市町村別では仙台市が15件(2026年4月22日時点)と最も多くなっています。

県のホームページでは『クマ目撃等情報マップ』を公開していますが、Googleマップ上に刺さったピンを見ていただくと、市内でもポツポツと出没していることがわかります。また、同じ場所で複数回目撃された地点もあります」

100万人都市の中心部にまでクマが侵入した事態を受け、仙台市は21日、AIカメラの導入など対策の強化を表明した。

市街地などの目撃情報が多い場所にカメラを設置し、24時間自動監視する。AIがクマを判別すると即座に市に通知するシステムで、北陸地方などで実績のあるこの仕組みの導入を検討しているという。

仙台市の郡和子市長は21日の会見で、「多くの市民が生活する場にクマが長時間とどまり予断を許さない状況だった。今後も緊張感をもって市民の安全を確保する」と強調した。

市の環境共生課は、クマ専門職を増員し、連絡体制を局長級に引き上げるなど、組織を挙げての厳戒態勢に入っている。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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