≪ナフサショック≫ポテチは白黒になるけど“ガリガリ君”と“うまい棒”は「検討の段階にもなってはいません」「色も値段も変えせん」なぜ?…その理由をメーカーにきいてみた
≪ナフサショック≫ポテチは白黒になるけど“ガリガリ君”と“うまい棒”は「検討の段階にもなってはいません」「色も値段も変えせん」なぜ?…その理由をメーカーにきいてみた

「ポテトチップス」などを製造販売するカルビー株式会社は12日、「中東情勢の影響による一部商品仕様見直しのお知らせ」と題する報道発表のなかで、一部商品のパッケージ仕様を見直すことを明らかにした。対象は「ポテトチップス」など計14品で、印刷インクの使用色数を減らすという。

背景には、中東情勢の緊迫化による一部原材料の調達不安定化がある。これを受け、政府は関連業界へのヒアリングを行なう方針を示すなど、影響が広がっている。

「ポテトチップス」の白黒パッケージにSNSでは「お葬式みたい」

カルビー株式会社の報道発表が波紋を広げている。同社が12日に公表した資料には、印刷インクの色数を減らしたポテトチップスの「2色対応商品のパッケージ」が掲載されている。

黒と白を基調としたパッケージには「石油原料節約パッケージ」と印字され、消費者が慣れ親しんでいるジャガイモのキャラクターも姿を消した。

従来の商品イメージとは大きく異なるデザインとなっており、SNS上では、

「お葬式みたい」
「ポテチのパッケージの色がモノトーンになるとは驚きました」
我が家の子らは悲しがっていた」

など、驚きや戸惑いの声が相次いでいる。

同社の資料によれば、「ポテトチップス」「かっぱえびせん」「フルグラ」など14品について、パッケージに使用するインクの色数を2色に変更し、25日の週から店頭で順次切り替えて販売するという。

商品の品質への影響はないとしたうえで、「地政学的リスクを含む事業環境の変化に、機動的かつ柔軟に対応」していく方針を示した。

同社の発表を受け、佐藤啓官房副長官は12日の記者会見で、商品パッケージなどに用いられる印刷用インクの材料であるナフサについて、中東地域からの輸入が約4割、中東以外からの輸入が約2割、国内生産が約4割を占めていると説明したうえで、

「備蓄原油を用いた国内でのナフサ精製を継続していることに加えて、中東以外からのナフサの輸入が中東情勢緊迫化の前の水準に比べると5月には3倍になっている。

インクの材料としての合成樹脂や溶剤等の生産については輸出量の削減や在庫の活用を通じて、国内出荷量としては平時と同様に国内需要量に応じた必要量を供給することができており、印刷用インクあるいはナフサについて日本全体として必要な量は確保されている」

との認識を示した。

また、「ポテトチップス」などの印刷色数変更については「関係省庁が連携し、実態を把握すべく関係企業との意思疎通に努めている」と述べ、同日中にヒアリングを予定していると説明。

さらに、

「関係省庁に設置された情報提供窓口を通じてサプライチェーンの情報を集約し、供給の偏りや目詰まりを一つ一つ確実に解消していくなどの取り組みを進めており、供給改善の好事例が生じつつある状況だと認識している」

と話し、現時点では供給体制に問題は生じていないとの認識を示した。

「そもそも新しい版を作るほうがかえって大変です」

こうした状況について、人気菓子メーカー各社はどのように受け止めているのか。

「うまい棒」などを販売する株式会社やおきんの担当者は、パッケージのインク色数変更について「今のところ予定は全くありません」と説明したうえで、

「他社さんは準備を進めていたのかもしれませんが、すぐに変えられるものではないと思います。印刷の版も作り直しになると思うのですが、資材の準備も大変ですし、そもそも新しい版を作るほうがかえって大変です」

と話した。続けて、中東情勢が商品価格に与える影響については、

「包材関係は、どこのメーカーさんも多分値段が上がってしまう部分はあると思います。ただ、それによっていきなりすぐに『うまい棒』を値上げすることは、今のところ考えていません。

それはなぜかというと、お子さんがギリギリ買える価格を守るという方針で、これまでずっとやってきていますので」

このように説明したうえで、当面は現状の価格とパッケージ仕様を維持する方針だと話した。

ほかにも、「現状維持」の方針を示すメーカーがある。

「ガリガリ君」などを製造販売する赤城乳業株式会社の担当者は、

「お客様が最初に目にするのがパッケージデザインです。弊社においてはパッケージの色を変更しようという検討の段階にもなってはいません」

と現状を説明した。

中東情勢の影響に関しては「状況自体もかなり流動的に変化している部分があるので、弊社から直接具体的なことをお伝えするのは難しいです」としたうえで、「コメントは控えさせていただきます」と話した。

生産ライン維持に向けた企業努力について尋ねると、

「価格改定の際もそうですが、できるだけ品質は維持したまま、同じ時間内でより商品数を生産できるように、生産ラインの効率化というところを特に注力して行なっています」

と話し、価格や品質への影響を抑えるための取り組みを続けていると説明した。

企業ごとに対応が分かれる令和の“ナフサショック”ともいえる現在の状況。混乱の長期化も懸念されるなか、いかにして国民生活への影響を最小限に抑えていくのか。

政府の対応が問われている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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