「新・牡丹と薔薇」(東海テレビ、フジテレビ 毎週 月〜金 ひる1時25分〜)1月25日(月)第37話「納得いかない交換条件」より 原作・脚本:中島丈博 演出:西本淳一
富貴子やけっぱち、ドラマもやけっぱち?「新・牡丹と薔薇」37話
イラスト/小西りえこ

ドラマ自体がやけっぱち?


最終週直前に突如現れた、好色そうな大富豪のおじさま(大和田伸也)。いや〜な闖入者感を最大限に出そうと頑張っていらっしゃる大和田伸也さんに涙が出ます。
このひと、一応、ラスボスってことでいいんでしょうかね? 
借金のカタに、この大富豪の嫁にされそうになる美輪子(逢沢りな)をかばおうと、富貴子(黛英里佳)はその身を捧げようとします。
なんか、もう富貴子もやけっぱちだし、ドラマ自体がやけっぱちのような気がするのは気のせいでしょうか。
このドラマは、最初からずっと、理性無視、本能のまま行動することを推奨しているようで、富貴子も、いわゆる熱病にかかったかのように、美輪子、美輪子、です。

本能の象徴が、吉田家の天使のような、次男坊・杉ちゃんこと杉彦なんだなあと今日、気づきました。小日向家にやってきて、シャンデリアにぶら下がってはしゃぎまわる姿を見て、そう、理性なんて何になるの! 野生に帰るべきなのよ! と、大寒波襲来してなければ、裸足で野に駆け出したくなりました。
頭を働かせるとろくなことはありません。

富貴子が大富豪と結婚しても、恋人・瀬尾と切れない危険性もあると思った世奈子は知恵を巡らせ、瀬尾と美輪子を結婚させることにします。

悲劇の恋人・富貴子と瀬尾は、逆に激しく燃えあがります。ふたりの間に障害があればあるほど燃えるという典型的なパターンですね。この人たちがロミジュリみたくなってきた。
先週の崑一と世奈子といい、97話の富貴子と瀬尾といい、今更になって激しめな絡みをちょくちょく盛り込んでくるのはなぜ!
富貴子と瀬尾がこんなにも盛り上がるなんて、想像していませんでしたが、男女の仲とはわからないものであります。単にあの指輪の呪いなのでは。

どんなに瀬尾がかっこよく振る舞っても、どうしても、ウマヅラハゲだった瀬尾のお父さんが脳裏をかすめてしまうんですけど(涙)。
(木俣冬)