2026年6月21日、中国メディアの中国新聞週刊は、TOTOが伝統的なセラミックス技術を武器に半導体分野で躍進する一方、中国のトイレ市場では苦戦していると報じた。
記事は、TOTOの2025年度の純利益が前年度の3.3倍に急増したことを紹介。
そして、エッチングなど半導体製造工程でウエハーを固定する「静電チャック」に高精度セラミックが必要であり、現在同社がこの市場で世界トップ3に位置していると説明。人工知能(AI)需要の爆発で半導体製造装置がフル稼働する中、高価な消耗品である静電チャックの交換頻度が増え、需要がますます高まっていると解説した。
また、同社が創業以来の事業である衛生陶器で培った材料の配合や焼成といった技術基盤が精密セラミックス製造に生かされているとし、1980年代には既に新領域として静電チャックの研究開発に着手し、88年に量産化を実現していたとも紹介している。
記事は、「AIコンピューティング力の爆発により、エヌビディアや黄仁勲(ジェンスン・フアン)CEOが表舞台で大きな注目を浴びている。しかし、彼らが提供する引っ張りだこのGPUや、それに付随する高帯域幅メモリ(HBM)を製造するプロセスでは、半導体製造装置がフル稼働している」と指摘。TOTOなどがエヌビディアなどによる最先端AI半導体の生産ペースを左右する「影の主役」になっていることを「エヌビディアはTOTOに首根っこを押さえられている」と表現した。
一方で、半導体事業の好調とは対照的に、中国市場における衛生陶器事業が2025年度に2億5300万元(約60億3000万円)の営業赤字に転落したと指摘。日本製品への盲目的な憧れの消失やローカライズの不足、不動産市場の冷え込みによる販売環境の変化などが販売低迷の背景にあるという専門家の見方を紹介している。
記事は、今後のTOTOが衛生陶器事業では高級路線に特化し、中国ブランドとの直接的な価格競争を避けながら事業を維持しつつ、人工知能(AI)革命の中で材料科学によって利益を享受する国際企業へ進化しようとしているとの分析を伝えた。(編集・翻訳/川尻)











