中国メディアの環球時報はこのほど、ニュージーランドメディアのファーマーズ・ウイークリーの記事を引用して、ニュージーランド鹿産業協会(DINZ)が中国向けの鹿茸(ろくじょう)輸出で新たなビジネスの手法に大きく期待していると紹介する記事を発表した。

鹿茸とは、まだ硬化していない産毛に覆われた鹿の若い角を採集して乾燥加工することで得られる高級生薬だ。

中国の伝統医学では、高麗人参などと並ぶ最高の強壮薬として珍重されてきた。ニュージーランドの鹿関連産業にとって最大の商材は鹿肉だ。同国からはこれまでも鹿茸が中国に輸出されてきたが、健康関連商品への需要と関心が極めて高い中国市場に向けては、新たなビジネスの手法が大きな可能性を持つと期待されるようになった。

DINZの視察団はこのほど、中国広東省珠海市の南部にある島の横琴に設立された粤澳合作中医薬科技産業園を訪問した。横琴はマカオと隣接する経済特区で、中国本土側とマカオが共同で開発を進めている。DINZは視察を通じて、ニュージーランド産の鹿茸が中国南部に向けてのハイエンド商材として、巨大な市場を獲得する可能性があることを確認した。現地は栄養補助食品や伝統中国医薬の分野での監督管理政策が形成されており、ニュージーランドの鹿製品に全く新たな形態と販売ルートを開拓することが期待できるという。

DINZの視察団は、医薬文化体験館の視察や重要な小売店舗の訪問を通じて、伝統医薬分野での中国の投資規模と壮大な計画を体感し、中国医薬は文化でもあり、現代化発展産業でもあることを理解した。視察中の中国側との交流の重要な話題は、中国の伝統医薬市場と現代の栄養補助食品市場におけるニュージーランドの鹿茸の潜在力についてだった。横琴での関連政策は、一部の栄養補助食品の研究開発と登録プロセスを加速させると見込まれる。このことはニュージーランドの鹿茸に発展の好機を提供するはずだ。すなわち、鹿茸をハイエンド薬材として高付加価値製品に加工し、中国本土や香港・マカオ地域および世界の消費者に向けて販売することが可能だ。

中国国内の鹿茸の主たる産地は東北地方に集中している。産地としてのブランド力も圧倒的だ。一方で、消費需要は中国南部に移動しつつある。この市場の変化はニュージーランド産の鹿茸に全く新しい位置づけのアイデアをもたらした。すなわち、伝統的な産地に対抗する「原産地ブランド力」を獲得する必要はなく、現代の消費者の需要に合致する工業製品の原料の供給地になることだ。

中国では鹿茸の消費形態が変化しつつある。今もなおスライスした鹿茸が主流製品で、煎じるなどして服用するが、消費者はサプリメントの形で手軽に利用することを求めている。つまり鹿茸は、現代的な加工を施すことで、さらに広い消費者層が利用する栄養補助食品類にすることができる。(翻訳・編集/如月隼人)

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