中国メディアの南方都市報は23日、「取り締まらないのか、取り締まれないのか」と題し、高速鉄道駅のホーム上での喫煙問題について伝えた。
記事は、「高速鉄道は中国で最も厳格な禁煙措置が取られている交通機関であり、車内で喫煙すれば行政拘留の対象となることもある。
そして、「世論からは批判の声が強まっているが、現状は野放し状態で目立った対策は打ち出されていない」と説明。対策が進まない理由として「法律が存在しない」「取り締まり要員が不足している」「法執行権限がない」「利用者とのトラブルを懸念している」などがよく挙げられるとし、「ある意味で、これは中国の禁煙対策全体が抱える課題の縮図。国レベルでの法整備が不十分なため、地方政府による試行錯誤や現場での法執行の困難が大きな問題になっている」と論じた。
記事によると、駅のホームでの喫煙を条例で禁止している都市もあるが、鉄道システムは管理体制が特殊で閉鎖性が高いため、依然として取り締まりが及ばないケースが多い。先日開かれた各地の受動喫煙対策担当者や地方の鉄道関係者が出席する会合で、深セン市の関係者は「駅の待合所と高速鉄道のホームに、私たちは(取り締まりのため)立ち入ることができない」と述べた。
深セン市や上海市などでは地方条例によって公共交通機関およびその待機エリアでの喫煙が禁止されているものの、これまでに違反者へ罰金を科した例は1件もないという。対策は大半が啓発活動にとどまっており、増え続ける受動喫煙の苦情に十分対応できないことが、地方の鉄道当局や衛生当局を悩ませている。
鉄道システムはかつて長期にわたり独立性の高い閉鎖的な運営体制を維持してきた。独自の公安、検察、司法機関を持ち、各部門の行政管理組織も備えていた。
華東交通大学鉄道法治研究院の朱新建(ジュー・シンジエン)院長によると、現在、鉄道関連で法執行権限を持つのは鉄道公安局と国家鉄路局(およびその地方機関)のみだという。前者は治安と安全管理を担当し、後者は鉄道運行の安全や工事の安全を監督している。しかし、いずれも公衆衛生に関する監督権限は持っておらず、禁煙対策に関与するとしても「列車運行における安全確保」という観点からに限られる。
一方で、駅は中国国家鉄路集団(国鉄集団)傘下の企業に属しているため、行政処分を下す権限を持たない。地方の鉄道部門で衛生監督業務に携わる関係者は「駅構内の飲食店に対する衛生監督業務において行政処分が必要となった場合でも、地方政府に文書で協力を要請し、法的権限を持つ担当者に処分を行ってもらう必要がある」と手続き上の複雑さを口にした。
高速鉄道の駅のホームは運行の安全を確保しなければならない重要施設のため区域管理が厳格に行われており、地方政府の衛生監督職員がホームで法執行を行うには正式な調整手続きを経なければならない。また、鉄道システムは基本的に縦割り構造で、各駅には意思決定権がなく、改革を進めるには上層部からの指示が不可欠だという。
高速鉄道の駅ホームにおける受動喫煙問題について、専門家らは現行制度の下でも一定の改善策を取ることは可能だと指摘している。地方政府と国鉄集団が協議して取り締まり権限を委託したり、鉄道公安と地方当局による合同執行体制を構築したりする案が提案されている。一方で、まずは禁煙表示の強化や啓発活動、違反者への注意喚起など現実的な対策から進めるべきだとの意見もある。
しかし、多くの専門家は、根本的な解決には国レベルでの統一的な禁煙立法が不可欠との認識で一致している。現在は都市ごとに規制内容が異なり、利用者に混乱を招いていることも背景にある。ある専門家は「全国統一の法整備によってすべての鉄道ホームを禁煙区域に指定し、明確で統一された基準を設けることが、受動喫煙問題を解決する最も有効な方法」と指摘している。(翻訳・編集/北田)











