かつては中国の急成長する電子商取引(EC)セクターの象徴であった恒例の大型ネット通販セール「618商戦」。ロイター通信は「長引く値引きセールの常態化や消費者の慎重な姿勢が世界最大級の小売りイベントの影響力を鈍らせ、今年は静かに幕を閉じた」と伝えた。

618商戦は中国の大手ECプラットフォーム「京東商城(JDドット・コム)」が毎年6月に開催する大規模セールイベント。名称の由来は京東の創業記念日である「6月18日」にちなむ。開催期間は通常6月1日から18日の約2週間だ。

2004年に設立された京東商城が自社の周年記念セールとしてスタートさせたのが始まりで、現在はアリババ(天猫・淘宝)や拼多多(ピンドゥオドゥオ)、抖音(TikTok中国版)、快手・小紅書(RED)などほぼすべての主要ECプラットフォームが独自のセールを同時期に展開するようになり、ダブルイレブン(11月11日)」と双璧をなす巨大商戦に発展した。

2020年以降はコロナ特需も後押しし、取引規模でダブルイレブンに迫る年も出てくるなど、中国EC市場の重要な指標として注目されている。

618商戦ではプラットフォームから出店ブランドへの協力要請を受け、①大規模割引(通常10~50%オフ)②クーポン・ポイント付与③プレゼント抽選・限定セット販売④ライブコマース(インフルエンサーによるリアルタイム販売)―などの施策が組み合わされる。消費者が事前にカートに商品を入れておき、セール開始と同時に購入する「事前予約型」の購買行動も浸透している。

ロイター通信が紹介したデータプロバイダーの星図データ(Syntun)の22日の発表によると、アリババの天猫(Tmall)、京東商城、拼多多、抖音などのECプラットフォームを含む取引総額は8636億元(約18兆1300億円)にとどまった。前年の8556億元からほぼ横ばいだった。

中国の主要な商戦はここ数年間、以前のような盛り上がりを見せることが難しくなっている。セール期間の長期化や購買意欲の減退のために、消費者は割引価格でも生活必需品ではない商品にお金を使う意欲を失っている。

Syntunによると、Tmallが商戦期間中に取引総額で最大のECプラットフォームの座を維持し、京東商城、抖音が続いた。

京東商城は618商戦を通じて商品を注文した顧客数が過去最高に達したと発表したが、正確な注文数や商戦期間中の総売上高の詳細は明らかにしなかった。 Syntunはフードデリバリーや共同購入を商戦に含めた場合、取引総額は前年同期比4%増の9340億元に達した、としている。(編集/日向)

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