山東省煙台市の海域で先ごろ、特殊な新型人工魚礁がゆっくりと海底に沈められた。その主要構造は従来のコンクリートではなく、廃棄された風力発電のブレードの材料で作られている。
これは中車山東風電による試みで、新型の固形廃棄物の海洋新素材への応用を実現するものだ。新型人工魚礁は「耐腐食性」「変形しにくい」「高強度」という風力発電ブレード素材が持つ特性を生かし、海洋環境や生物の特性に合わせて繊維破砕技術を取り入れて専門的な製造工程を経て製造したものだ。
中車山東廃棄風力発電設備事業技術責任者の董国慶(ドン・グオチン)氏は、「従来の人工漁礁と比べて、風力発電ブレードは回収コストが低い。一連の安全性・信頼性試験と海洋試験によって、新型人工魚礁は生物付着性がより優れていることが確認され、廃棄ブレードの『新固形廃棄物』から『新素材』への転換が実現した」と語る。
3月に成立した「中華人民共和国生態環境法典」は、廃棄された風力発電ブレードなどの製品について、精密かつ無害化された解体・処理を実施することを明確に規定した。
董氏は「国家エネルギー局の統計によると、25年末時点で全国の風力発電設備容量は6億4000万キロワット(kW)に達し、世界首位を維持している。業界の試算では、2030年末までに、運転開始から15年以上経過した1.5メガワット(MW)以下の風力発電設備が大量に廃棄される。廃棄ブレードは約120万トンに達する見込みで、中国は風力発電設備の大規模な『廃棄ラッシュ』に直面することになる」と分析する。
廃棄された風力発電ブレードの再利用については、各地・各企業が試みを進めている。中車山東風電は早くも6年前に回収利用事業に着手し、「廃棄ブレードの高効率・スマート処理設備」の開発に成功した。また、中国初となる「スマート移動工場」を構築し、廃棄ブレード回収利用事業にいち早く取り組んだ企業の一つとなった。
この移動工場は標準的なコンテナとほぼ同じ大きさで、遠隔操作に対応しており、輸送が困難という廃棄ブレードの課題を効果的に解決し、「分散型前処理+集中型高度加工」という二重モデルで運用される。生産ラインを風力発電所やブレード保管場所へ直接移動させることができるため、従来の固定式処理ラインの限界を突破し、大規模作業の効率向上を実現している。
董氏は、「カスケード利用によって、廃棄ブレードは、まず風力発電機のスぺアパーツとして再利用される。さらに、処理後に得られる再生ガラス繊維は、風力発電機の基礎部分、工事用道路、海洋牧場などに利用され、優れた性能を示す」と話す。
濰坊市臨朐県劉王荘にある陸上風力発電所では、15年以上運転を続けてきた風力発電機のローターが、高さ60数メートルの場所からゆっくりと吊り下ろされた。同発電所の進める「リパワリング(設備更新)」の一環だ。
今回撤去された0.85MW級風力発電機は計45基で、中国国内で比較的早い時期に運用を開始した風力発電設備の一つだった。これに代わり、新世代スマート風力発電機15基が設置される。総設備容量は38.25MWから112.5MWへと増加し、風力利用効率は約3倍に高まる。
山東省は24年10月、「山東省廃棄物循環利用体系構築実施加速計画」を通達。廃棄設備の処理における風力・太陽光発電事業者の責任制度の整備、生産者責任拡大制度の検討、先端設備再製造の推進という方針を明確に打ち出した。
山東省循環型経済協会の張忠蓮(ジャン・ジョンリエン)副会長兼事務局長は、「山東省はほぼすべての市に風力発電プロジェクトがあり、総合的利用を実現する意義は大きい。











