人工知能(AI)はもはやインターネット業界だけの成長分野ではなく、製造業や金融、医療、文化・観光など幅広い産業に浸透し、基盤的な生産力として労働市場を大きく変えつつある。一方で、中国では各業界でAI人材の不足が深刻化している。

こうした状況を受け、中国江蘇省は8日、AI技術・技能に関する専門研修プロジェクトを正式に始動した。年間延べ20万人以上を対象にAI分野の技術・技能研修を実施し、企業従業員や大学卒業生、就職困難者など、それぞれの層に応じた育成を進めることで、人材不足の解消を目指す。

専門技術者向けには、継続教育で履修する講座のうち、AI関連科目を原則3分の1以上とする方針を打ち出した。また、年間50回の専門研修や8回の上級研修を開催するほか、デジタル技術エンジニア育成プロジェクトへの参加を支援する。修了後に資格を取得すれば、対応する職称(専門職資格)の認定につなげることができ、研修と資格制度を連携させる。

企業従業員向けでは、企業が自主的にAI研修を実施した場合、最大100万元(約2400万円)の研修補助金を支給する。さらに、高級技師を対象とした技能向上研修では、AI関連プログラムを全体の50%以上とすることを求める。

大学卒業生など若年層に対しては、「AI+専門分野」の複合型人材育成を推進し、年間延べ5万人以上にAI研修を実施する。「夏休み・冬休み技術学校」を充実させるほか、技工学校ではAIリテラシー教育を全面的に導入する。

障害者や中高年の失業者など就職が困難な人々に対しては、毎年少なくとも1回、「AI基礎知識+実践技能」の研修を実施。AIを活用したカスタマーサポートやデータアノテーション、データ審査など、比較的習得しやすい技能の習得を重点的に支援する。

研修の実効性を高めるため、江蘇省はオンライン教育の充実も進める。

これまでに開設している251講座のAIオンラインコースに加え、今年は新たに50講座以上を追加する予定だ。

さらに、研修補助金、人材評価、就業支援など関連制度の整備を進めるとともに、各地で「AIナイトスクール」など特色ある研修事業の展開を奨励し、より多くの人々がAIを学び、理解し、活用できる環境づくりを推進していくとしている。(編集/野谷)

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