2026年7月12日、香港メディア・香港01は、台風10号(メイサーク)がもたらした深刻な災害について、異常気象による「天災」の規模と、その被害を拡大させた社会システムの不備という「人災」の両面から分析した記事を掲載した。

記事は、台風10号の影響により広西チワン族自治区で今月4~6日に記録的な豪雨が発生し、築66年の「六藍ダム」が約50メートルにわたって決壊したことに言及。

この決壊による26人を含め、自治区全体で39人が死亡、9人が行方不明となったほか、主要産業であるジャスミン畑が水没する甚大な被害が出たと伝えた。

また、湖北省でも、台風が誘発した猛烈な竜巻によって11人が死亡、331人が負傷し、高層住宅で窓を閉めようとした一家3人が窓ごと吹き飛ばされて転落死する事故が起きたことなどを伝えている。

その上で、こうした深刻な天災の背景には人災の側面が重なっていると指摘。ダムの決壊を巡っては、過去の多額の改修資金がかんがいなどの経済的事業に偏り、主堤防の防洪補強が後回しにされていたこと、また高層住宅での転落事故は、現代の都市計画や建築基準が極端な気象に対応できていない実態を示していると論じた。

さらに、洪水で溺死した大量の豚による水源汚染の懸念や、養蛇場から脱走したコブラに住民が噛まれて死亡した事故、被災した動物園でライオンなどの猛獣が檻に閉じ込められたまま溺死した件などを挙げ、極端な気象への備えを欠いた産業計画や、緊急事態に柔軟に対応できない制度の硬直化が被害をさらに多重化させたと指摘している。

記事は、どれほど先進的な技術や強固に見えるインフラがあっても、公共の警報システム、制度の健全性、人命への敬意が欠けていれば巨大な自然災害を前に社会はぜい弱になると強調。今後は気候変動を前提に、人災の要素を減らして社会の「災害レジリエンス(対応力)」を高めることが不可欠であると結んだ。(編集・翻訳/川尻)

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