近年、AI(人工知能)は考古学者の「新しい同僚」となり、多くの課題解決に貢献している。文字を認識し、破片をつなぎ合わせ、井戸を探し出すことができるだけでなく、唐三彩の俑にユーモラスなせりふまで話させることができる。
「簡牘(竹簡・木簡)は出土してから解読されるまでの工程には、洗浄、赤外線スキャン、文字認識、句読点の付与、断片の接合など、煩雑な作業が数多く含まれる。膨大な資料を前にすると、多くの作業は実際には終わりが見えない。私たちは以前から、こうした反復作業の多い基礎工程をAIに任せられないかと考えてきた」。
こう話す西北師範大学管理学院教授で甘粛省簡牘科学デジタルセンターの張強(ジャン・チアン)センター長は、「研究チームが2024年6月に開発した『簡牘学術資源データ共有プラットフォーム』が正式運用を開始し、西北地域の漢時代簡牘4万点以上のデジタル資源を収録した。25年には甘粛簡牘博物館と共同で簡牘文字認識に特化した世界初の大規模データセット『DeepJiandu』を公開した。このシステムは分散していた簡牘の赤外線画像、解読文、マルチモーダル情報を統合し、高精度なアノテーションを施すことで、AIが簡牘文字を学習できるようにした」と説明した。
このような基盤が整ったことで、AIはいくつかの重要な工程で真価を発揮できるようになった。
まず、自動文字検出・抽出機能だ。AIは簡牘上の各文字を素早く検出して枠で囲み、欠損部分も標識をつけることができるため、研究者が一文字ずつ手作業で指定する必要がなくなった。
次に、文字認識と解読支援機能だ。不鮮明な文字に対してAIは複数の候補文字とその確率を提示する。
さらに、画像補正とインテリジェント検索機能だ。AIは薄れた筆画を鮮明化できるほか、「画像による画像検索」にも対応しており、数万文字のデータベースから類似した字形を短時間で見つけ出せる。これは断片化した簡牘の接合作業において重要な手掛かりとなることが多い。
こうした成果により、これまで数か月を要していた整理作業も、現在ではより短期間で初期成果をまとめられるようになった。研究者は節約できた時間と労力を解釈や判断、総合的な分析に充てられるようになった。
最近、済南考古館を訪れる市民や観光客が目に見えて増えている。多くの来館者が入館するとすぐに「山東なまりを話す胡人俑はどこか」と尋ねてくる。彼らのお目当ては「しゃべるようになった」唐三彩の俑なのだ。
済南市考古研究院調査探査部部長で樊家遺跡発掘プロジェクト責任者の何利(ホー・リー)氏は、「少し前、AI技術によって文化財が『話す』動画がインターネット上で大きな話題になった。私たちは従来の静的展示方法を一新し、AIによって文化財を本当に『生き生きと』見せようと考え、その動画を制作した」と語る。
済南市民の李琳(リー・リン)さんは、「山東なまりで話す唐三彩の俑を見て、とても親しみを感じた。
新疆ウイグル自治区トルファン市文化博物院(文物局)の副研究館員で科学技術交流協力部部長の奥斯曼・艾力尼亜孜(オスマン・アリニヤズ)氏は、「AIにカレーズ(地下用水路)の分布を読み取らせるだけでなく、より多くの考古学上の課題にもAIを活用している。例えば、高昌故城の城壁の亀裂は肉眼では全体を把握しにくいため、多波長センサーを搭載したドローンを用い、AIに微細な損傷を検知させている。また、古墳を識別する際には、ドローンによる航空撮影と深層学習アルゴリズムを組み合わせ、地表とほとんど見分けがつかない遺構の痕跡をAIに認識させている」と説明した。
同氏はさらに、「AIは考古学者に取って代わるのかと聞かれることがあるが、私の実感はまったく逆だ。AIは煩雑で反復的な作業からわれわれを解放し、より本質的な問題を考える時間を与えてくれる。例えば、AIによって数千キロメートルに及ぶカレーズの全体像が再現されたことで、私たちはこれら地下用水の分布の背後にある古代社会の組織構造や灌漑の知恵について考察できるようになった。AIは私たちに、より広大な過去を見せてくれると同時に、貴重な文化遺産を守る自信も与えてくれるのだ」と語る。(提供/人民網日本語版・編集/YF)











