2026年7月15日、香港メディア・香港01は、同日発表された中国の上半期経済データを基に、輸出の過熱と内需の冷え込みという中国経済の「温度差」が拡大し続けているとする評論記事を掲載した。
記事によると、中国の1~6月期GDP(国内総生産)は前年同期比4.7%増で、増加額3兆6000億元(約86兆円)は過去5年の同期で最大となったものの、4~6月期の成長率は1~3月期の5.0%から4.3%に減速し、ロイターやブルームバーグの予測(4.5%)も下回った。
記事は現在の中国経済の状況を、「温度」を指標として輸出・消費・投資という3つの側面から解説している。まず輸出は「灼熱」とし、6月の輸出額が4123億9000万ドル(約66兆8000億円)を単月の過去最高を更新したほか、世界的なAI投資ブームを背景に、集積回路の輸出が前年同月比2.2倍、自動データ処理設備は同53.1%増だったと紹介した。
次に消費は「冷え切っている」とし、1~6月期の社会消費品小売総額は1.3%増、6月単月は1.0%増、自動車を除く伸びも2.8%にとどまったと指摘。「輸出が27%伸びる一方で、国内消費がほぼ停滞するという落差は、世界の主要経済国・地域で極めてまれだ」とした。
そして投資については「さらに氷のように冷たい」とし、固定資産投資が同5.7%減、民間投資は同8.5%減、不動産開発投資は同18.0%減、製造業投資は同1.2%減と軒並み減少したことを伝えている。
記事は、こうした状況について、先端製造・グリーン産業が上向く一方、規模が大きく雇用と消費を支える不動産・旧来型経済が下向く「K字型分化」だとするエコノミストの見方を紹介した上で、「新しい質の生産力」によるハイテク発展という中国政府の戦略方向は正しいものの、問題は執行面にあると指摘。資金と資源がハイテク産業に集中したことで伝統産業が弱体化しているという専門家の分析に触れた。
また、ハイテク産業への投資集中は国民生活の冷え込みも生んでおり、1~6月期の1人当たり可処分所得が実質4.2%増にとどまり、16~24歳の青年失業率も15.6%と高止まりしていることにも言及。政府による経済刺激策の行き先が消費・所得支援ではなく、さらなる投資と生産能力ならその効果は割り引かれることになると論じた。
記事は最後に、AIブームが収束し、米国による関税障壁がさらに築かれた時、消費の停滞、投資の萎縮、中小企業の苦境という本当のファンダメンタルズは隠しようがなくなると警告。経済の「温度差」を打ち消すためにも、中国政府はハードランディングしつつある業種と人々を受け止める政策を打ち出す必要があるとの認識を示した。











