中国メディアの騰訊汽車は24日、「タイの電気自動車(EV)の普及率が30%に迫る、中国軍団はいかにして日本メーカー60年の牙城を打破するか」とのコラム記事を掲載した。

記事は、タイではトヨタやホンダなど日本メーカーが60年以上にわたり自動車市場を主導し、販売だけでなく金融、部品供給、アフターサービスまで含めた産業基盤を築いてきたと説明。

一方で、中国メーカーはタイ市場を世界市場進出の重要拠点と位置付け、BYDや上汽MGなどを中心に進出を加速させていると伝えた。

その上で、タイがEV普及政策を打ち出した2021年には、日本メーカーと中国メーカーの販売台数の差は約22倍だったが、26年1~5月には日本メーカーが20万4800台、中国メーカーが8万7700台となり、その差は2.3倍まで縮小したと指摘。中国メーカーは米国メーカーを抜いて販売台数で2位となり、BEV市場では8万2100台を販売して市場シェア28.5%を占めたとした。

そして、「タイ市場は年間販売約60万台と規模が限られる一方、中国メーカー7社の計画生産能力は年間55万台を超えている。このため各社はタイをASEANや欧州など右ハンドル市場への輸出拠点として位置付け、多額の投資を行っている」とその背景を説明した。

一方で、EV普及に伴い課題も浮上していると言及。26年5月にはタイ電気自動車協会など業界9団体が政府に対し、中国から完成車を輸入する企業の増加によって現地企業の受注が減少していると訴え、完成車輸入と現地生産の税率差拡大や現地調達率の厳格な審査など8項目の対策を提案したこと、在タイ日本大使もEVへの全面移行は時期尚早であり、ハイブリッド車やバイオ燃料なども含めた発展が必要との考えを示したことに言及した。

記事は、「タイでは自動車産業がGDPの1割以上を占めている。政府はガソリン車からEVへの移行を進めているが、補助金の縮小や現地生産義務の強化、27年末に終了予定のEV支援策の行方などが注目されている」としたほか、「中国メーカーは現地調達率40~50%程度にとどまり、日本メーカーの80%以上と差が大きい。タイでの現地生産はコスト面で厳しく、新エネ車製造コストは中国より15~30%高いことが課題となっている」と論じた。

そして、「中国メーカーはコストパフォーマンス戦略だけでは、日本メーカーが60年かけて築いた基盤を揺るがすことは難しいと認識している。BYDはタイを欧州やASEAN、オセアニア向け輸出拠点として活用し、上汽MGも周辺国への輸出を進めている」と紹介。

「中国メーカーはサービス体制の強化にも取り組んでいるほか、タイ側と自動車技術基準や法規、人材育成などの分野でも協力を進めている」と強調した。(翻訳・編集/北田)

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