2026年7月23日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国のバイオ医薬品企業が世界市場での存在感を急速に高めている一方、安全保障・産業防衛の観点から懸念の声が上がっていることを報じた。

記事は、中国のバイオ医薬品企業・康方生物(アケソ)が開発した抗がん薬「イボネシマブ」が既存の主力薬である米MSDのキイトルーダを上回る効果を示し、米国のバイオ企業と提携して米国、カナダ、欧州、日本での独占的な開発・販売権を供与した事例を紹介した。

そして、康方生物の董事長である分子生物学者の夏瑜(シア・ユー)氏が英国の大学を卒業後、米製薬大手バイエルでキャリアを始め、帰国して自社を創業した人物だと説明。こうした海外留学後に帰国した「海亀」と呼ばれる研究者により、江蘇省蘇州市だけで650社のバイオ企業が設立されたとしている。

また、米製薬大手ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が中国・恒瑞医薬と最大9億5000万ドル(約1560億円)規模の提携契約を結んだほか、ナスダック上場の米企業ケイレラ・セラピューティクスの株主にも同社が名を連ねていることに触れ、米国の投資資金が結果的に自国の競争相手を育てている構図だと指摘した。

さらに、こうした提携は個別の動きにとどまらず、2020年に0%だった世界の大型製薬ライセンス契約に占める中国企業の割合が25年には48%に急増し、25年の取引総額は約1360億ドル(約22兆2800億円)に達したと伝えた。

記事は、中国企業の動きに対し、米共和党のムーレナー(John Moolenaar)下院中国特別委員会委員長がバイオ技術を対中投資規制の対象に加える法案を推進し、ベッセント財務長官にも対応を要請したと紹介。一部の米政府関係者からも「審査を行わなければ中国は米国の医薬研究の成果を盗み続け、米国企業を破綻に追い込む」との見方が出ているとした。

さらに、欧州でも懸念が広がっており、スイスに本社を置くジェネリック医薬品大手サンドのセイナーCEOは、政府補助を受けた中国企業のダンピングにより欧州の抗生物質産業が空洞化するリスクを指摘し、EUに保護措置を求めたと伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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