電気自動車(EV)のメーカーであるテスラの経営者などとして知られるイーロン・マスク氏はこのほど、現在では盛んに行われるようになった人型ロボットのデモンストレーションでは、多くの場合にはロボットが自律して動いているのではなく、「演技」をしていると批判した。中国メディアの快科技が伝えた。
マスク氏はテスラの第2四半期決算電話会議で人型ロボットのデモンストレーションについて、業界全体に見られる「やり方」に対する疑問を呈した。なおテスラも、人型ロボットであるオプティマスの開発を手掛けている。
マスク氏は、ネット上に流布している各種ロボットの素晴らしいデモンストレーションの多くは、事前に作成された動作プログラムや背後での人による遠隔操作に頼っていると指摘。現在までに世界で開発されたいかなる人型ロボットも、(ロボットがリアルタイムで知覚する)音声や画像のみに頼って多様な日常作業を自律的に実行できていないと述べた。
マスク氏は汎用人型ロボットの中核となる基準として「人が事前に作ったプログラムを必要とせず、自然な指示のみで自律して各種の状況に適応して任務を完了できること」と表明した。
4月には北京市内で、人型ロボットが出場するハーフマラソン大会が開催され、中国内外から注目された。しかし、出場したロボットのうち、自律ナビゲーションを備えていたものは4割のみで、残りは遠隔操作に頼るモデルだった。マスク氏は、多くの商用ロボットには仮想現実(VR)遠隔操作モードが搭載されており、人気ショート動画の中のロボットのインタラクティブな画面も多くは意図的に演出されたものと指摘した。
マスク氏は、テスラのオプティマスが先頭を切って業界の現状を打破し、人に匹敵する、あるいはそれを超える精密な操作を実現することを目標とし、演技を披露するのではなく、現場で実際に働くことができる実用的なロボットにすると表明した。
ただし、量産化への道は険しい。オプティマスではすべての部品を新規開発する必要があり、依存できる成熟したサプライチェーンは存在しない。フリーモント工場に専用生産ラインを設置した後も、生産能力の立ち上がりは遅い。
一方で、中国での人型ロボットの出荷量は世界の8割以上を占めている。小鵬汽車(XPeng)は開発した人型ロボットの自律歩行能力が検証された数少ない自動車企業であり、奇瑞汽車、小米(シャオミ)、BYD(比亜迪)も商業化の実現に向けて着実に前進している。(翻訳・編集/如月隼人)











