◆第108回全国高校野球選手権神奈川大会▽5回戦 鎌倉学園8―4平塚学園=延長10回タイブレーク=(18日・平塚)

 平塚学園は延長10回タイブレークの死闘の末に敗れ、8強進出を逃した。

 同点で迎えた9回、先頭の川中丈外野手(2年)が二塁への当たりを気迫のヘッドスライディングをみせ、内野安打をもぎ取る。

送りバントで1死二塁とサヨナラの好機を築いたが、あと一本が出ず試合は延長戦に突入。タイブレークの延長10回、四死球と2本の安打で4点を失うと、直後の攻撃は3者凡退に終わった。

 背番号1の山口禅投手(3年)は、16日の茅ケ崎北陵戦で159球を投げ抜いて完封勝利。中1日で迎えたこの日は6回から2番手でマウンドに上がり、5回7安打5四死球6失点(自責4)の内容だった。それでも最後まで笑顔を崩さずに「自分がランナーを背負って嫌な顔をしていたら、野手も思うようにプレーできない。雰囲気だけは絶対に負けない」。苦しい場面でも仲間を鼓舞しながら、最後まで役割を全うした。

 投球の原点は、昨夏の敗戦にあった。「前回の夏の大会で上から投げて負けた。自分が変わらない限りチームも変われないと思い、思い切ってフォームを変えた」。本格派を目指してきた右腕は、この夏に勝つための投球を追い求めた。八木嵩文監督は山口の投球を「春以降、この夏に勝つための投球スタイルを本人が見つけてくれたので、その意思を尊重した」と成長を認めた。

 山口の帽子のつばには「主人公」の2文字が刻まれている。「『これは俺たちの物語だ』と八木先生に言われて、マウンドに立つ以上、主人公として胸を張ってやろう」。最後の夏を戦い抜いた右腕は、「野球はつなぐスポーツ。自分たちがつくってきた平学野球部を、さらにいい方向につないでいってほしい」と後輩へバトンを渡した。

 八木監督は「選手たちはよくやってくれた。勝つチャンスも十分あった。本音を言えば山口はもう少しで後ろから投げさせたかったが、どっちに転ぶか分からないゲームだった」と健闘をたたえ、選手にねぎらいの言葉をかけた。

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