「悪魔の計画」ではなかった? 伊紙が読み解くFIFA会長の“...の画像はこちら >>

批判が集中したFIFAの“W杯売却”構想だが…… photo/Getty Images

背景に巨額の資金と権力をめぐる政治闘争

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が提案した「ワールドカップ売却構想」は、本当に大会そのものを手放そうとした計画だったのか。イタリア紙『TUTTOSPORT』は、その中身を詳しく分析している。



同紙によると、構想の本質はFIFAを二つの組織に分けることだった。

競技運営やルール、スポーツ面の意思決定を担う「FIFA1」と、大会の放映権やスポンサー契約など商業部門を担当する「FIFA2」を設立。FIFA2はワールドカップなどの商業権を管理し、4年ごとに50億ドル以上の収益を保証する企業へライセンスを提供する計画だったという。

さらに話題となったのが、FIFA2の株式20%を投資ファンドや金融機関へ売却する案だ。評価額は200億ドルとされ、その20%を売却すれば約40億ドルを一括で確保できる計算になる。

ただし、『TUTTOSPORT』は「ワールドカップそのものを売る計画ではなかった」と指摘する。競技面の最終決定権はあくまでFIFA側に残り、売却対象は商業部門だったためだ。

一方で、同紙は大きなリスクも挙げている。

収益拡大を求める民間企業が関われば、CM枠を増やすための給水タイム(ハイドレーションブレイク)の常態化や試合数増加、さらには決勝で導入されたハーフタイムショーのような演出強化など、商業優先の要求が強まる可能性があるという。

また、投資家候補の中にトランプ家と近い関係者が含まれていたことも、計画への不信感を強めた要因だったと分析している。

それでも『TUTTOSPORT』は、この構想で最も恩恵を受けるのは欧州ではなく、アフリカやアジアなど資金力の乏しい加盟協会だったと説明。現在は4年間で約800万ドルとされる分配金が約2000万ドルまで増える可能性があり、「カーボベルデやヨルダンのような協会にとっては大きな意味を持つ」と指摘した。


結果的にUEFA主導の反対によって構想は頓挫したが、同紙は「勝ったのは"サッカーの正義"ではなく、豊かな欧州だった」と論評。「これは善と悪の戦いではなく、巨額の資金と権力をめぐる政治闘争だった」と結論づけている。

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