有名人の肩書き「早稲田中退」は、フツウなの?
早稲田中退=出世のイメージは、やはりこの人からきてるんでしょうか。
有名人には「早稲田中退」という肩書きが、すごく多い(気がする)。

ちょっと調べても、タモリ、大橋巨泉、石田純一、小室哲哉、室井滋、宇津井健、ラサール石井、上田晋也、永六輔、風間杜夫……などなど。


あまりに有名人が多いために、「早稲田は中退のほうが出世する」なんて冗談(?)も聞くことがある。

でも、この「早稲田中退」は、有名人ならではのことなのか。それとも、早稲田大学には、中退、留年が全体的にけっこういるのだろうか。
自分の友人、知人の早稲田OBには、少なくとも中退の人はいないのだけど(たぶん)……。

早稲田大学の広報室広報課に問い合わせると、「それは1学年で何人ぐらい中退があるかというご質問ですか? 学校全体の中退の割合ですか?」などと質問内容の確認があった後、「中退、留年の割合は、発表していません」という返答があったのみだった。
やはり少なくとも学校側として、中退、留年を推奨してるわけではないようだ(当たり前だが)。


では、実際に早稲田を卒業した人たちに、中退や留年がどのくらいいたのか聞いてみると……。
「中退は私の知る限り、全然いなかったですよ。司法浪人とかで、留年する人はけっこういたけど、先生にどうこう言われることもない。他の大学と同じでは?」(30代女性)
「中退はいなかったなあ。留年もせいぜい5年生までいた人ぐらいだよね」(40代男性)
「中退も留年も、知り合いにはいなかったですね。これは学部にもよるけど、単位のことに関しては、少なくとも学校側からは『自己責任』という感じで、言われませんでしたよ」(30代男性)
といった感じだった。


だが、20代男性のある男性は言う。
「中退はさすがにレアで、僕の知り合いでは、たまに来る謎のサークルの先輩に8年生の人がいて、その人が中退したかどうかってくらいでした。ただ、留年は、5年ぐらいまではウヨウヨでしたよ」
え!? ウヨウヨ!?
「早稲田って、学部にもよるけど、自分のいた文学部では、1年から2年にちょっとハードルがあって、たまに1年留年があるけど、4年まではフツウになれるんですよ。ただ、就職氷河期だったから、就職留年もたくさんいたし、法学部とかも留年が多かったですね」
これについて、先生側や学校から何かお小言は?
「ゼミを落として留年だと、ゼミの先生から怒られるけど、卒業の単位が足りないとかだと、特にないですね」

なるほど。学生の数が多いし、それこそ「自己責任」なのか。それにしても、やっぱり「早稲田中退」っていうのは、現実にはあんまりないのかぁ……とつぶやいていると、こんなコメントがあった。

「確かに、学生同士で『中退のほうが出世』ということは、冗談めかして言うことはあるけど、ホントにやろうとは思わないでしょ? 数も少ないし、さすがにシャレになんないですよ」

良くも悪くも、有名人というのは、やはり「フツウ」ではなれないようです。
(田幸和歌子)