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どうにかして欲しい。お役所の文章は何故わかりにくいのか

2014年9月16日 10時30分 ライター情報:米光一成

『日本語学』2014年9月号 特集 福祉の言語学

「宣伝会議編集ライター講座上級コース」で専任講師を続けている。
まれに、必要以上にわかりにくい文章を書いてくる受講生がいて驚く。
油断していると、文章はわかりにくくなってしまうものなのかもしれない。

「公的文書をわかりやすくするために」(岩田一成)は、官庁文書をピックアップして、分析したテキストだ。(『日本語学』2014年9月号収録)

引用されている官庁文書のわかりにくさっぷりに愕然とする。
“インターネット黎明期の1996年に創業。日本で初めてISP向けにカード決済を利用した「RTSシステム」を開発して以来、電子商取引(EC)にフォーカスし、アプリケーションパッケージの開発、コンサルティングを行ってきた。特にECサイトのバックオフィスを支えるパッケージソフトの開発やライセンス事業、ソリューションに特化し高機能を実現。いわゆるデファクトスタンダード…”
いやいやいや。
これは、カタカナ専門語が多すぎる文章の例をデフォルメして作ったんですよね? と思って検索してみたら、経済産業省の「ベンチャー企業の経営危機データベース」のテキストだった。
デフォルメもなにも、そのまま存在していた。

岩田一成は、三つの類型を紹介する。
【1】文体難解系
文体そのものが難解なパタン。「おまえ硬すぎるだろ」ってヤツだ。
“『保育園の入園について』の「入園基準について」という項目
1 昼間に居宅外で労働することを常態としている場合
2 昼間に居宅内で乳幼児を離れて日常の家事以外の労働をすることを常態としている場合”

む、むずかしい。
ことさら難しく表記している市町村のテキストを探し出したわけではない。
「昼間に居宅外で労働することを常態」で検索すると、たくさんの実例が出てくる。

“元になる法律文をコピー&ペースト”しているからではないか。
さらに「昼間に居宅外で労働することを常態としている場合」じゃなくて「昼、いつも外で働いている人」と言いえばいいではないかと岩田は主張する。

【2】間接伝達系
「これ、結局何も言ってないな!」ってパタン。
「地上波デジタルテレビへの買い替えがどうして必要なのか」という説明文が具体例としてあげられている。
“地デジは、今までのテレビ放送よりきれいな映像が楽しめるだけでなくあなたにやさしく便利な21世紀のテレビ放送です。”
あなたにやさしく便利な21世紀のテレビ放送。。。(思わずリフレインしてしまった)

【3】分量多い系
「話が長すぎるよ!」ってパタン。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

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