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山里亮太『天才はあきらめた』「偽りの天才」が吐露した南海キャンディーズの始まりの終わり

2018年7月13日 09時45分 ライター情報:井上マサキ
南海キャンディーズ・山里亮太は「僕はいつも自分にこう言い聞かせている」と言う。

自分を「頑張れなくさせるもの」を振り切って、全力で走れ!
そんなものからは、逃げて逃げて逃げまくれ!
そのためのガソリンとして、自分が味わった苦しい感情を全部使え!
嫌いな奴を燃料にして、脳内で圧倒的な勝利を掴め!


自分は天才ではない。だから人一倍努力しないといけない。自伝的エッセイ『天才はあきらめた』(朝日文庫)には、芸人を志してから現在に至るまで、山里亮太が自分自身と戦ってきた日々が綴られている。
山里亮太『天才はあきらめた』(朝日文庫)。2006年に出版された『天才になりたい』(朝日新書)を改題し、大幅に加筆・修正を行った

「偽りの天才」と「張りぼての自信」


南海キャンディーズ結成にいたるまで、山里亮太は2度コンビを解散している。お笑いに対するストイックさが度を超しており、苛立ちを相方にぶつけていたのが原因だった。このストイックさの根底には「自分は天才ではない」という自覚がある。いたって普通の人間で、根性もないし、すぐサボってしまう。だからこそ「武装」が必要だった。

「自分は天才じゃない」という自覚を強制的に消して、すごいところを目指さなくちゃいけなかった。「あいつのは才能がない」と誰にもバレないように、天才が自然にしていることをやり遂げる必要があった。(P.16)

芸人を目指すにあたり、まず退路を断った。大阪のよしもとに入るため、地元千葉から関西大学に進学。学生寮で「自分は芸人になるためにここに来た」と宣言し、寮生全員に見送られながら養成所(NSC)に入学する。簡単に辞めるわけにはいかない。

しかし、同期にはキングコングがいた。19歳という若さでNSC在学中に賞を獲るという快進撃に、講師も「今年はキングコングが出たからええやん」と漏らすほど。ふざけるな!とネタを書きまくった。好きな芸人のネタを書き起こし、爆笑問題やダウンタウンに自分が笑ったところで「今なんでおもしろいと思ったか」をノートに書く。毎日講師にネタを見せ、ダメ出しはその日のうちに反映。できない相方を何度も叱った(これが原因で解散に)

ここまで頑張る自分は天才だなと「偽りの天才」を作り込み、少しでも褒められたら「張りぼての自信」を固めていく。嫌な目に遭ったら「地獄ノート」に復讐の言葉を綴りエネルギーにする。

まるで鬼コーチと生徒が一つ屋根の下で同居しているようだ。サボったりクヨクヨしようになる自分を客観視し、褒めたり焚き付けたりして前に進ませる。その様子もしっかりと言語化している。

ライター情報

井上マサキ

1975年石巻出身のフリーライター。元SEで2児の父。スマホアプリ・パパ育児・お笑いを中心に活動中。路線図鑑賞家。ケータイ大喜利第14号レジェンド。

URL:Twitter:@inomsk

「山里亮太『天才はあきらめた』「偽りの天才」が吐露した南海キャンディーズの始まりの終わり」のコメント一覧 2

  • 匿名さん 通報

    お笑い芸人は裏を語るものじゃないと思う。程度の差はあっても売れる売れないに関係なく苦労を重ねている。同情で舞台に立ち続けることはできないし、それができればトニー谷は消えていない。

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  • 匿名さん 通報

    山ちゃん、いろいろあったんだねえ❗

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