『音楽家は本を読む。 浦久俊彦の乱読道場』(アルテスパブリッシング)著者:浦久 俊彦Amazon |honto |その他の書店
文化芸術プロデューサーによる音楽家のための読書案内。
メールマガジン連載時のタイトルは「音楽家は本を読め!」だった。書店めぐりや、よい古書店の見つけかた、古書の買いかたに始まり、本を探して読んでいくさまざまな方法を指南する。紹介される本の幅の広さと奥行の深さに驚愕(きょうがく)。指揮の山田和樹やピアニストの舘野泉、青柳いづみことの本をめぐる対談も収録されている。

それにしても、なぜ音楽家は本を読まねばならぬのか。本を読む暇があったら、楽器の練習に費やしたほうがいいのではないか。そうではない。偉大な音楽家たちはすべて読書家でもあったと著者は断言する。

古来、西欧では、「ムジクス(音楽家)」と「カントル(楽士)」というふたつの呼び名があるという。カントルは「ただ演奏し歌うだけの人」。それに対してムジクスは「音によって世界を解きあかそうとする人」。ムジクスになるには音楽を生み出す土壌となった文化や歴史についての教養が必要だが、日本の音楽教育にはこれが欠けていると著者は言う。
楽器は上手に弾けても音に深みがない。音楽に限らず、あらゆる分野にあてはまりそう。

【書き手】
永江 朗
フリーライター。1958(昭和33)年、北海道生れ。法政大学文学部哲学科卒業。西武百貨店系洋書店勤務の後、『宝島』『別冊宝島』の編集に携わる。1993(平成5)年頃よりライター業に専念。「哲学からアダルトビデオまで」を標榜し、コラム、書評、インタビューなど幅広い分野で活躍中。著書に『そうだ、京都に住もう。』『「本が売れない」というけれど』『茶室がほしい。』『いい家は「細部」で決まる』(共著)などがある。

【初出メディア】
毎日新聞 2025年10月25日

【書誌情報】
音楽家は本を読む。
浦久俊彦の乱読道場
著者:浦久 俊彦
出版社:アルテスパブリッシング
装丁:単行本(ソフトカバー)(304ページ)
発売日:2025-06-30
ISBN-10:4865593144
ISBN-13:978-4865593143
編集部おすすめ