『田中陽造著作集 人外魔境篇』(文遊社)著者:田中陽造Amazon |honto |その他の書店

◆脚本家の飾りないエッセイ
著者は、鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」や相米慎二監督の「セーラー服と機関銃」の脚本を担当し、1970年代には日活ロマンポルノ黄金期の脚本家として活躍した人物。奇才である。


いわゆるシナリオ集ではない。脚本家の仕事は「文章を殺すこと」と考える著者が、シナリオを集めて本にするはずはない。この本に収められているのは、脚本家になる以前、週刊誌に連載していたルポと、映画監督や作品について呟(つぶや)くように記したエッセイだ。

映画についての文章が心に残る。まったく飾りたてない。しかし、「ムダの多い世界」で、人間が描きづらい状況で、映画を作ることの「不幸」が伝わってくる。

【書き手】
陣野 俊史
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロージョン』(白水社)、『フットボール都市論』(青土社)など。

【初出メディア】
日本経済新聞 2017年5月18日

【書誌情報】
田中陽造著作集 人外魔境篇著者:田中陽造
出版社:文遊社
装丁:単行本(480ページ)
発売日:2017-04-28
ISBN-10:4892571261
ISBN-13:978-4892571268
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