◇<1>『吉本隆明全集』(晶文社)
◇<2>黒川 創、瀧口 夕美 編『加藤典洋とは何者だったか?』(編集グループSURE)
◇<3>太子堂 正称『ハイエク入門』(筑摩書房)
<1>は、吉本隆明氏の全集。二○一四年から刊行を続けてこのほどめでたく完結した。
<2>は、先年惜しくも亡くなった文芸評論家・加藤典洋氏の全著作を読み合わせる研討会。世代の異なる五名が集まった。戦後日本の精神の病巣をあぶり出す加藤氏の厳しい指摘は、五○冊余の著作として残っている。大切な贈り物である。
<3>は、欧州、アメリカを股にかけて活躍した経済学者・思想家ハイエクの思索のあとを辿(たど)る。経済学の中心がアメリカに移って、いかに経済思想が貧相になったことか。ケインズと並ぶハイエクの洞察の数々はいまの時代なお光を放つ。
『吉本隆明全集38: 書簡II・III』(晶文社)著者:吉本隆明Amazon |honto |その他の書店
◆黒川 創、瀧口 夕美 編『加藤典洋とは何者だったか?』(編集グループSURE)
【書き手】
橋爪 大三郎
社会学者。1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
【初出メディア】
毎日新聞 2025年12月20日