データサイエンティストのサトマイこと佐藤舞さん(36)の著書『あっという間に人は死ぬから』は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」自己啓発部門賞を受賞し、ベストセラーに。そして今年、第2弾として『あっという間にお金はなくなるから』を出版した。
それにしても、両著とも本のタイトルを含め、とても目に付くデザインである。これも多くの人が手に取りやすいようお得意のデータ分析を駆使して十分に考えられた末に出版された賜物だろう。さすがサトマイさんである。インタビュー連載全3回の第1回を公開。
◾️テーマもタイトルもデザインも・・・ベストセラーを狙うために
「おっしゃっていただいた通り本のタイトルもデザインも狙ってやっているところはあります。装丁にしても、デザインを何パターンか作ってもらい、気になる点が見つかるたびに直していただいた。そして、実際に印刷した表紙を本屋さんのビジネス書とか自己啓発本、お金に関する本のスペーズに並べて、しっかりみなさんの目に止まるかをテストして選んだのが、この2冊の表紙になっています」
本の中身はもちろん、表紙にしても編集者に丸投げすることは考えもしなかった。
「私自身ユーチューブというメディアを運営したり、自分の書いた文章を人に読んでもらうというよりは見せるやり方に試行錯誤してきたので、意識して難しい漢字を使わなかったし、衝動買いしたくなるような装丁を目指したんです。それに加えて、日常会話でよく使う『あっという間に』という言葉をタイトルに選んだという感じですね」
自らのスキルを存分に活用して発売に至ったわけだが、そもそもデータサイエンティストというのは具体的にどんな仕事をするのだろう。
「企業さんのデータ、例えば、人事関係や売上関係などいろんなデータがあるんですが、そういったデータをお預かりして分析して改善提案をするような仕事です。私の専門はマーケティングなので、企業さんから新規事業開発でこういうことをやりたいと相談されれば、事業計画書を書くための数字の根拠を明らかにしなければならない。
それでは、まず1冊目の『あっという間に人は死ぬから』を書くきっかけは何だったのか。
「私はよく本屋さんに行くのですが、多くの時間関係の本が平積みされていて、売れているなあという時期があったんです。中でも『限りある時間の使い方』という本は、人生の時間が”4000週間“と有限であるという現実に向き合い、新しい時間との向き合い方を提案していてものすごく売れていたんですね。それに感化されて、私なりに時間関係でベストセラーになっている本をリサーチしたんですけど、どうもしっくりこなかったんです。どの本も結構時間軸が短いんですよね。例えば、効率のいい1日のタイムスケジュールとか、生産性を高くするのであればこういう手順で仕事を進めたほうがいいといった内容のものがほとんどでした。私は、近視眼的な時間軸みたいなものより、もっと人生という時間軸に伸ばしたほうがいいのでは?と。そう思った時にゴール地点は”死”ではないか。じゃ、死ぬまでの時間の使い方に関する本を書こうと思ったのがきっかけです」
◾️日常生活に落とし込めるものでないと意味がない
従来の時間関係の本では効率化に焦点が当てられ、効率化した結果、空いた時間にまた別の仕事を入れ続けるのだが、それで自分の人生が充実するかといえばそうではない。自己啓発本は、自分の時間を奪う人とは付き合わない、本当に人生が充実するようなことを見つけて時間を有効に使おうと説いてはいるが、見つけ方の具体例が書かれていないなど、納得いく答えは見つからなかったそうだ。
「読んでいる時は耳障りが良くて気持ちいいんですけど、日常生活に落とし込めるものでないと意味がないわけです。その辺がまだ解決できていない悩みだと思ったので、じゃ、死ぬまでの時間の有意義な使い方に落とし込めるにはどうしたらいいのか。
他にも再現性のない研究はたくさん報告されている。だから、本書には論文ベースで今わかっていることとわかっていないことを載せてあるそうだ。
時間は、意図してもしなくても刻一刻と失われていて貯金ができない。だからこそ、時間の下僕になるのではなく主になり、流されるままの人生から自分で方向を決める人生にすべきなのである。そこで本書の重要な論点となるのが「自分の価値観を見つける」ことだと佐藤さんは言う。
「ここでいう価値観は好き嫌いといったフワッとしたものではなく自分が日常的にできる主体的な行動です。本書ではワークを数多く用意して、それに答えていただくことで自分の価値観が見つかるような形にしています。具体的には、死ぬときにどういう状況になっていたいかというのが最終的なゴールだと私は思ったので、まず、自分のお葬式を想像していただき、家族や大切な友人に自分が生前どういう人間だったと紹介されるのが嬉しいか、というのが1つの価値観の見つけ方の軸になっています。例えば、Aさんは『仕事ばかりしていた仕事人間でした』と言われて嬉しいかと問われた時に、それは違うなと思ったら今の仕事のボリュームを減らして、家族との時間を増やそうかな、といった気づきを与えるような質問になっています。最終的なゴールを想像した時に違和感があるのだったら、そこを埋めるような時間の使い方に修正していけばいいんです」
テーマが壮大だったため様々なリサーチをする中で、17世紀のフランスの文学者・フランソワ・ド・ラ・ロシュフコーの言う「死と太陽は直視できない」に出会い、これほどまでに人間の本質を的確に表現している言葉はないと、本書における最重要キーワードとした。
◾️人間が直視できないものは何か?
「人間が直視できないものは何かと考えた時に私はそれを『人生の3つの理』だと定義したのです。それは“死”と“孤独”と“責任”です。この3つの理を避けるために無意識に自分に嘘をついて行っている行動が間違った時間の使い方を生み出しているわけです。そこで、ロシュフコーの言う『死と太陽は何なのか』と考えた時に、死は絶望する闇のことで、必ず人は死ぬけれども、それを受け入れたくないので、自分は死なない前提で見ないようにして先延ばししている。そして孤独というのは、人は生まれてくるときも死ぬときも1人ですから根本的に孤独であるというのがもう1つの闇です。最後の闇は、責任だと私は思っていて、私たちは自由に人生や運命を切り開いていけますが、それには責任が伴います。ダイレクトに責任が返ってくるのが怖いので、親に勧められた大学に進学したり、スペックの高い人と結婚したほうがいいんじゃないかと他人の軸で生きることを選択してしまう。そして、まぶし過ぎて普段生活していたらわからないのが太陽で、本書でいう価値観ですね。人生において何を大切にしたいのかは自分で考え、きちんと見ないと見えない。人は3つの闇と同時に太陽を見ないようにして何となく生きていますが、それは違うのではないかというのが私の最初にお伝えしたいことです」
とはいえ、今は自己決定しなければいけない時代にはなってきているとも。
「昔はいい学校に入って、いい企業に就職して、そこで結婚相手を見つけて結婚し、マイホームを建てて、老後は貯金で暮らすみたいなことが人生添付であったと思うんですけど、今は学校に行かなくてもいいし、就職しなくても結婚をしなくてもいいんじゃないかとなった時に自分はどうしたいのかを考えなければいけない時代になっています。なので、今は自己決定のトレーニングを積みやすい時代なのではないか、と。
★第2回につづく・・・
取材・文:大西展子
佐藤 舞 (サトマイ)
データサイエンティスト。登録者44万超『謎解き統計学 サトマイ』YouTubeチャンネル運営。桜花学園大学客員教授。「確率・統計を使い、知的かつ面白く、世の中の謎を解く」をコンセプトに情報発信。国立福島大学卒業後、迷走を経つつも26歳で独立。現在は、企業のマーケティングリサーチや需要予測調査を手掛けるビジネス統計学の専門家として活躍中。著書『はじめての統計学 レジの行列が早く進むのは、どっち』は都内国立中学の入試問題にも引用。『あっという間に人は死ぬから』は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」自己啓発部門賞を受賞。今年第2弾『あっという間にお金はなくなるから』を出版し、ベストセラーに。
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