ラーメン・中華チェーン「日高屋」を運営するハイデイ日高の青野敬成社長が、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(WBS)内で発した一言が、大きな波紋を呼んでいる。
■「日本人を取るしかない」発言が炎上
WBSでは、外食産業における特定技能外国人労働者の受け入れが上限に達し、政府が新規受け入れを停止したことを特集。
青野社長は番組で、「今まで4割ぐらいは外国人でやろうという風に考えていたところが、今年はもう手のうちようがない」「外国人の特定技能は駄目となりますと、やはり日本人の高校卒業生や大学卒業生、専門卒を中心に取るしかない」などとコメントした。
この「取るしかない」という表現が、「日本人労働者を最後の手段のように扱っている」と受け止められ、SNSで激しい批判が殺到。4月15日、ハイデイ日高は公式Xアカウントで「一部に日本人労働者を軽視しているかのように受け取られかねない表現があり、配慮を欠いた表現となりました」と謝罪に追い込まれてしまった。
同社は声明の中で、外国人雇用による助成金を受け取った事実はないこと、また外国人労働者の給与・福利厚生・昇給・昇格は日本人社員と同じ条件であることを明言している。
■「国籍・出身地・学歴・性別・家柄など一切問わなかった」
ここで一冊の本を紹介したい。
日高屋の創業者であり現在も代表取締役会長を務める神田正氏が、この3月に刊行されたばかりの著書『10人中6人に美味しいといわれたい』(日本実業出版社、中村芳平・構成)だ。
そこに書かれているのは、「日本人労働者を軽視」する上から目線の経営ではなかった。
まず、本書冒頭には外国人採用の姿勢についてこう書かれている。
「日本の企業はこれまで、アジアから来た外国人を上から目線で採用してきました。けれど、そういう採用の仕方はもう通用しない、はっきり言って彼らがいなかったら会社は潰れる、彼らに助けてもらっている、という気持で接して欲しい」(P12)
これが日高屋のトップの答えだ。外国人を「安い労働力」として使い捨てるのではなく、「助けてもらっている」という感謝の姿勢が見られる。
「国籍・出身地・学歴・性別・家柄など一切問わなかった」(P211)
日本人か外国人かではない。来てくれる人に感謝し、等しく迎え入れる。それが創業以来の日高屋の姿勢なのだ。
「未来軒」時代は、児童養護施設の出身者を積極的に採用してきたというエピソードも書かれていた。彼らの拠り所になるよう寮も用意し、ここで働く者たちを家族のように見守るという姿勢で受け入れてきたという。
また神田氏は2018年と2023年の2度にわたり、自身が保有する株式を従業員に無償で譲渡している。2023年にはパート・アルバイトを含む約1100人が対象となり、総額約4億円にのぼった。SNS上の切り取りだけを見て批判する前に、まずこの一冊を手に取ってみてほしい。
文:BEST T!MES編集部
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