2026年4月28日、日銀は政策金利を0.75%程度で据え置き、3会合連続で利上げを見送りました。一方で、利上げを続ける方針は維持され、住宅ローン金利の先行きに不安を感じる人も少なくありません。
これまでの低金利時代では変動金利が有利とされてきましたが、金利のある世界に入り、固定金利への借り換えはより現実的な選択肢になっています。本記事では、固定金利に借り換えるメリット・デメリットを整理し、借り換えを検討する際の判断基準と確認すべきポイントをわかりやすく解説します。
○借り換えで固定金利を検討する人が増えている理由
ここ数年、固定金利への借り換えを検討する人が増えている背景には、金利上昇への警戒感があります。
2025年12月の日銀金融政策決定会合で政策金利が0.25%引き上げられた影響を受け、2026年4月には多くの銀行が変動金利を引き上げました。メガバンクの変動金利は平均で1%を超え、15年ぶりの水準となっています。日本銀行はいまだ利上げスタンスを堅持していることから、今後も上昇が続く可能性があります。
固定金利も多くの銀行で上昇しています。全期間固定金利のフラット35は、2026年4月に年0.24%と過去最大級の引き上げとなりました。住宅ローンの固定金利に影響を与える長期金利(10年国債利回り)も高水準で推移しており、固定金利も引き続き上昇基調が続くと見られます。
このように、金利上昇圧が続いていることから、今後も金利は徐々に上昇していく可能性があります。
住宅ローンは返済期間が数十年と長期にわたるため、将来の金利変動が家計に与える影響は小さくありません。「この先どうなるかは分からない」という不安が、固定金利への借り換えを後押ししていると言えるでしょう。
○固定金利に借り換えるメリット
現在、変動金利で借りている人が固定金利に借り換えるメリットを整理します。
固定金利に借り換える最大のメリットは、「将来の安心感」です。金利が固定されているため、返済額が最後まで変わらず、家計の見通しが立てやすくなります。教育費や老後資金など、将来の支出も見据えた長期的な資金計画を立てやすくなる点は、家計運営において大きな安心となります。
また、金利上昇局面では、固定金利の価値が高まります。将来金利が上昇した場合でも、借り換え時の金利が適用され続けるため、結果として総返済額を抑えられる可能性があります。
さらに、精神的な負担が軽減される点も見逃せません。金利動向を気にし続ける必要がないので、日々の生活に集中できます。
将来の安心感が得られる
家計の見通しが立つ
今後金利が上昇しても返済額は変わらない
金利動向を気にする必要がない
○固定金利に借り換えるデメリット
一方で、固定金利への借り換えにはデメリットもあります。
最大のポイントは「金利が高くなること」です。一般的に固定金利は変動金利よりも高く設定されているため、借り換えた直後から毎月の返済額が増えるケースが多くなります。
また、今後金利が大きく上昇しなかった場合や、残りの返済期間が短い(住宅ローン残高が少ない)場合には、結果として変動金利のままのほうが総返済額を抑えられる可能性もあります。
さらに、借り換えには事務手数料や保証料、登記費用などの諸費用がかかります。これらのコストを含めてもメリットが出るかどうか、事前にシミュレーションで確認することが大事です。
固定金利への借り換えは、「安心を買うためにコストを払う」選択と言えるでしょう。
借り換え後の金利が高くなる(毎月返済額が増える)
金利動向によっては変動金利より総返済額が多くなる場合がある
諸費用がかかる
○固定金利に借り換えたほうがいい人
固定金利への借り換えが向いているのは、次のような人です。
将来金利が上昇すると、家計が厳しくなる人
教育費など、今後支出の増加が見込まれる人
金利の動きを気にせず、安定した生活を送りたい人
収入の増加が見込みにくい人
貯蓄が少なく、繰り上げ返済の余力がない人
特に、毎月の返済額の増加に不安を感じる人にとっては、返済額が変わらない固定金利の安心感は大きなメリットといえます。一方で、ある程度の金利変動リスクを受け入れられる人や、今後の収入増が見込める人は、変動金利のまま様子を見る選択も考えられます。
「将来、金利が上昇すると家計が厳しくなる人」は、あらかじめどの程度の金利上昇で返済が負担になるのかをシミュレーションしておくといいでしょう。
たとえば、金利が1%上昇しても問題はないものの、2%上昇すると毎月の返済が厳しくなる場合、現在より1%高い固定金利に借り換えておくことで、それ以上の金利上昇リスクを回避できます。
このように、自分にとっての「許容できる金利上昇の範囲」を把握しておくことが、借り換えを判断するうえでの重要なポイントとなります。
参考までに、金利ごとの毎月の返済額を表にしました。
○借り換えの判断基準
借り換えを検討する際は、次の3つを判断基準にするとよいでしょう。
○1.残債と残期間
残高が多く、返済期間が長いほど、借り換えによる効果は大きくなります。
○2.金利差
固定金利への借り換えでは、一般的に変動金利よりも高い金利が適用されるため、借り換え後の返済額は増えるケースが多くなります。そのため重要なのは、「その金利差を将来の金利上昇で回収できるか」という視点です。金利上昇が想定より小さければ変動のままのほうが有利になる可能性もあるため、将来の金利見通しを踏まえて考える必要があります。
○3.諸費用を含めた総コスト
借り換えには、事務手数料や保証料、登記費用などの諸費用がかかります。借入残高や金融機関によって異なりますが、30万~100万円程度が目安です。これらの費用を含めてもなお、借り換えのメリットがあるかどうかを見極めることが重要です。多くの金融機関では、諸費用を含めた総返済額を確認できる借り換えシミュレーションが用意されているため、事前にメリットの有無を確認しておきましょう。
○固定と変動どちらがいい?借り換え時の考え方
ここで改めて、固定金利と変動金利のどちらを選んだらいいのか、その人の状況や考え方から向いている金利タイプを整理しました。
○借り換え前に確認すべきポイント
最後に、固定金利への借り換えを検討する前に確認しておきたいポイントを整理します。
総返済額はいくらになるか
毎月の返済額に無理はないか
借り換えにかかる諸費用はいくらか
繰り上げ返済時の手数料や条件はどうか
団体信用生命保険(団信)の保障内容はどうか
借り換えは、新規で住宅ローンを組むのと同様の手続きが必要となるため、団体信用生命保険(団信)にも改めて加入することになります。
金利や返済額だけでなく、万一の備えとなる団信の内容についても、しっかり比較・検討しておきましょう。
○まとめ
固定金利への借り換えは、金利上昇リスクを回避できる一方で、コストが増える可能性がある選択です。将来の金利動向は専門家でも正確に予測することが難しいため、「金利が上がるかどうか」を当てにいくのではなく、「上がった場合に対応できるか」という視点で判断することが重要です。
例えば、金利が1%上昇した場合でも毎月の返済を無理なく続けられるか、2%上昇した場合にはどうかといったように、複数のシナリオで家計への影響を確認しておきましょう。将来の支出も踏まえながら、安定した家計を維持できるかという観点で、固定金利への借り換えを検討してみてください。
石倉博子 いしくらひろこ ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。 この著者の記事一覧はこちら











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