試合を楽しみながら、マウンドに立てているというマルティネス(C)Getty Images

 日本球界でも馴染み深い右腕が快投を続けている。今年2月にレイズと1年1300万ドル(約21億円)の契約を締結したニック・マルティネスだ。

 現在35歳、決して若くはない。それでも経験豊富な男は最盛期を迎えようとしている。現地時間6月5日時点で、12先発(70.2イニング)を消化し、防御率2.29、WHIP1.19、与四球率1.66という抜群の安定感をキープ。計7登板でクオリティスタート(6イニング以上を投げて自責点3以下)を記録し、2失点以上を喫したのは1試合しかない。

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 老いてなお意気軒高――。メジャーリーグ全体見れば、決して高年俸ではなく、1年契約というシビアな立場だが、今のマルティネスには成功を追い求める男の気迫がある。

 その活躍には、レイズのカイル・スナイダー投手コーチのデータ解析によるサポート体制の手厚さはもちろん、2018年から日本ハムとソフトバンクで4年間プレーした日本時代の経験が小さくない影響を与えているという。

 米誌『Forbes』のインタビューに応じたマルティネスは、「今の自分は心構えを保ち、早い段階から積極的に相手打者に挑戦し、キャッチャーの判断を信頼している。そして、それに基づいた調整ができている。これは日本から戻って来てからうまくいっているやり方だ」と告白。いわゆる“外国人”となった異国での経験がパフォーマンスを向上させたと説いている。

「日本で自分は精神的にも肉体的にも飛躍的に成長した。

あそこで自分が何者なのかをより深く理解できるようになった。海外でプレーすることは、多くの選手にとってプラスになると思う。自分の場合は、成績だけが自分を定義するものではないと理解した上で、それまでとは違ったタイプの攻撃的なピッチングを心がけられるようになった。日本でより自由な気持ちで投げられるようになったし、自分が望むスタイルでプレーできるようになった」

 NPBでの4年間で計63試合に登板したマルティネス。その経験は、MLBで成功を掴み切れずに苦しんでいた己を解放させるキッカケになった。

 開幕から契約額以上の働きを見せ、小さくない貢献をしているマルティネスは、どこまで快投を続けるのか。一部でサイ・ヤング賞候補にも挙げられ、「彼がいてくれるのは本当に楽しい」(レイズ投手シェーン・マクラナハン談)と評されるベテランの味のある投球から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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