映画『レオン』『グラン・ブルー』『ミッション:インポッシブル』など数々の名作で世界を魅了してきたフランスの名優ジャン・レノが、4月22日、ソロパフォーマンス『らくだ』来日記者会見を開催。演出を手がけるラディスラス・ショラー、ピアノ演奏を担うパブロ・ランティとともに登壇した。



【写真】穏やかな表情で語るジャン・レノ

 会場に彼の歌が流れる中、3人が姿を見せた。本作は、ジャン・レノが自らテキストを手掛けた自叙伝的ひとり舞台であり、本公演で歌も披露する。世界初演の地に日本を選んだジャン・レノは、日本とは25年にわたる縁があると明かした。日本を愛する理由を問われると、「このお芝居のセリフにもあるが、ある人をどうして好きなのか、理由を言うことは難しい。香水の香りと同じで、分析できない。妻への愛を説明できないのと同じ。とにかく私は、日本にいると幸せなんです」と穏やかな笑顔で答えた。

 映画の中でさまざまな人物を演じ続けてきたジャン・レノが、今回初めて「自分自身」を語ることを選んだ。「俳優として演じる役柄は私ではなく、他人だった。自分のこれまでの歩みを子供たちに伝えたいと思った。そして私は何者なんだ、どこから来たんだということを皆さんにお伝えしたい。映画で見る俳優ではなくて、人間としての私自身です」。


 物語の出発は、7歳のころのジャン・レノだ。「きっかけとなったひとつのシンボルはバルコニーです。母とのカサブランカでの思い出。そこが出発点となり、年齢とともにいろんなことが起きていく。演劇への情熱。カサブランカからヨーロッパへ、そしてアメリカへ、世界へ進出していく。『グラン・ブルー』をきっかけに有名人になる。そうした瞬間をピックアップしました。率直に、誠実に伝わればと思う」。

 タイトルの『らくだ』には、自己像への深い洞察が込められている。「自分自身の内なる動物が何か、長年考えてきました。そしてラクダだと。
人を運ぶ、荷物を運ぶ。ゆっくり歩く。ワシのようにさっと飛んでいくタイプではない。ゆっくり観察する。足元を確かめながら進む」。そんなラクダの背に乗せてきたものは「家族。そして苦しみや孤独もあったと思います。もちろん人との出会いもね」と語った。

 本舞台の構成については、演出のショラーが言及。「登場するのは複数形のジャン・レノです。7歳の彼、十代の彼、映画を夢見る若い頃の彼、そうした瞬間を、現在のジャン・レノが振り返りコメントする。歌や曲も挟まれ、ちょっとしたミュージカル的な仕立てになっています」と話すと、ジャン・レノが「笑いと涙がある舞台。
そう、ユーモア、笑いもたくさん入っています」と付け加えた。

 そうした瞬間を振り返る作品に、日本にまつわるエピソードは登場するのかと聞かれ、「もちろん! 日本は私の人生ですから」と力強く即答したジャン・レノ。「コンニチハ」「イラッシャイマセ」と日本語を交えながら「ミナサン、『らくだ』を見に来てくださいね」とアピールした。

 ジャン・レノ ソロパフォーマンス『らくだ』は、5月10日~24日 東京芸術劇場 シアターウエストほか、全国11都市での公演あり。チケットは東京芸術劇場ボックスオフィスほかにて発売中。

編集部おすすめ