<フォトギャラリー>「トリハダ」シリーズを振り返る
インターネットで本作を検索すると、聞き慣れない女優の名前が目につく。2009年3月に放送された「トリハダ5」に出演した笹野鈴々音(りりね)だ。しかも作品ファンの間では笹野が重要な役を演じた「気づくことが恐怖のはじまり」がダントツで怖い、との声もある。笹野が演じたのは、深夜の公衆電話ボックスの中に佇む女性。その強烈な存在感を表すように、テレビ版DVDジャケットには笹野の顔が採用され、劇場版にも進出した。
新世紀のホラー女優の誕生をスクリーンに映し出した劇場版DVDがリリースされたことを記念して、笹野にインタビューすることができた。普段は舞台を中心に活動しており、「トリハダ」が本格的ドラマ&映画出演となる。作品出演後に大きな反響を肌で感じたという彼女が、自身のルーツについて、そして劇中で醸し出した恐ろしい雰囲気とは似合わぬ、意外な活動経験を教えてくれた。
どんな人なのか、不安とともに待っていると、明るい声と共にパタパタと部屋に入って来た小柄な女性。笑顔を大きく覗かせながら「インタビューはほとんどしたことがないので緊張しちゃいます」と頭をポリポリとかく姿に、「トリハダ」感は皆無だった。表現者を目指したのは、幼少期に観劇した宝塚歌劇団による「ベルサイユのバラ」がきっかけ。
だが高校時代に一つの転機が訪れる。お笑いとの出会いだ。「学校生活に退屈していた時期に、テレビでお笑い芸人さんの姿を見て、『よし、私も世の中を笑わしてやろう』、そう思いました。そこから友達とトリオグループ『アフロリーナ』を結成。当時は3人で売れよう! と意気込んで活動していました」と振り返る。路上アーティストがメジャーに踊り出た時代だったこともあり「その波に乗ろうと、アフロヘアのカツラとかぼちゃパンツを身に着け、路上お笑いライブを定期的に敢行していました。固定ファンの方もできて、オヒネリもたくさんいただきました。もしかしたら今よりも勢いがあったのでは?」と笑う。ちなみに「全員がボケてそれを全員で突っ込むというスタイルで、横浜をベースに活動していたことから、『自分たちが肉まんだったら、どうしよう~』などのネタをやっていましたね」と斬新さを物語る。 かなりのお小遣いを稼いだアフロリーナだったが、メンバー3人の目標が変わり徐々にフェードアウト。
その身長によって開かれた扉もある。それが「トリハダ」だ。「出演後の反響はすごく感じまして、それこそ“トリハダ”でしたね。この作品を通して私を知ってくれた方も多く、ブログやツイッターの閲覧者の数は数百単位で増えましたし、中には『こんなホラー女優がいたとは驚き』というようなコメントも頂いたり。ホラー女優にカテゴライズされるのはいかがなものかと思いますが、嬉しい悲鳴ですよね」と実感を込める。
目標にしている女優は、個性派の樹木希林。「役柄として存在せず、そこに素でいるようなお芝居をされるのが本当に凄い。稽古や役作りを重ねて洗練されてきたはずなのですが、演技が自然に見えるところが素敵です」と目を輝かせる。今後は時代劇に挑戦したいそうで「顔だちが薄い方なので、時代的に溶け込めるのではないかと思いますね。それと28歳ですが、すでにおばあちゃんの役柄にも興味があります」と抱負を語る。なおプライベートについては「普段の生活が見えないような、謎めいた部分を持っていたいですね。まるで織田裕二さんのように」と不思議な理想を語ってくれた。
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