ぼくはおっぱいですね。
自分はロリコンなので大きいより小さいほうが好みなんですが、違う違うそうじゃない、そういう問題じゃない。
人間の中には「おっぱいを揉みたい」というDNAがあ大小の差こそあれども存在しているんですよ、多分。そういう意味において、ぼくはおっぱいを揉みたい。
人間は二つの柔らかいものに触れて、安心感を得たいのです。ソースはぼく。
現実社会でおっぱいを揉むのは、自由に好きなときにできることではありません。結婚している成人男性だって、奥さんを強く愛していても「色んなおっぱいを揉みたい」という触覚的喜びを妄想する機会はあるでしょう。女性の中にも大きなおっぱいを見たら揉みたくなる衝動に駆られる人はいるに違いないと信じております。
しかし、現実社会で誰彼構わずおっぱいを揉むわけにはいきません。
特におっぱいに恋焦がれ、時速60キロの車から手を出して「おっぱいの感覚はこのくらいなのか」と弾力を想像する少年達に、夢を見させてあげたい!
この熱い想いを叶えてくれるたのが空詠大智『揉み払い師』です。
タイトルのとおり、おっぱいを揉む漫画です。
なにがすごいって、おっぱいを揉むシーンになると、おっぱいが見開きになるんですよ。
まさに、おっぱいを揉むという願望を擬似的に叶えてくれるための漫画、ビバ!
とはいえ、ただ意味もなく揉むのではいけませんね。無理矢理ではなく、揉むことにきちんとした理由がほしいところです。
え? おっぱい揉みたい気持ちに理由なんていらない? 通ですねえ、全くそのとおりです!
しかし、理由があることで言い訳ができるというのは大きなポイントなのです。本来の読者である少年たちにとっては。
本作のおっぱいを揉む理由は、主人公が『揉み払い師』であるという点にあります。
揉み払いとは、おっぱいを揉んで除霊する職業。強い未練を残して死んだ邪霊はその未練を受け入れてくれる人の心に取り憑きます。放置したり、受け入れようとすると、取り憑いた相手の体を乗っ取って魂を食ってしまいます。
未練を持った邪霊は感情的で、非常に繊細で敏感。そう、おっぱいと同じなのです。
だから、女性の胸元に巣食います。心に一番近い場所である胸に潜むのです。
よって、おっぱいを揉み払うことで邪霊に直接働きかけて払うことができるのです。
なんと見事な理論でしょう。揉み払い師はおっぱいを、相手の許諾を得た上で揉まなければいけないのです! なんて大変な仕事でしょう!
この揉み払い師である小影がまたいいキャラでして。女性の胸に取り憑いた邪霊を揉み払うこの仕事は、感情を持つことが許されません。黙々とおっぱいを揉み払う使命が課されているのです。だから胸を揉み払う彼はひたすらにかっこいいのですよこれが。
なんてアホな設定だろうと思う作品ですし、実際おっぱいをいかに揉み払うかが詳細に描かれているのですが、読後感はまるで肩をもみほぐされたかのような爽やかさに満ちています。
おっぱいを揉むシーンのためにあらゆる設定が巧みに組み上げられ、見事に少年漫画として成立している。お色気作品でありながら、主人公小影のクールなかっこよさと妹小波の熱血要素がうまく噛みあって成立しているという面白い作品。エロスとタナトスの隣り合わせっぷりと、それを乗り越える人間の姿がスタイリッシュにまとまっているためすんなり読めるんですこれが。
クラブサンデーの『揉み払い師』特設ページがこれまた頭が悪くて(褒め言葉)、おっぱいを全力で揉めます。イエスナイスおっぱい。
少年漫画がいかに少年達の悶々とした感情を昇華するかを考える際、やはり必要なのは大義名分とその向こう側にあるもの。少年たちはぜひドキドキしながらこの本を読んで、読後にはしみじみしていただきたいな。
怪奇物としてかなり面白いので、女性にももちろんおすすめいたしますが……そんなわけで世のお母様お姉さま妹様。家族の本棚に『揉み払い師』があったら、そっと見なかった振りをしてください!
部屋で揉み払い師ごっこをしていても、生温かい目で見守ってあげてください!
(たまごまご)