丸みをおびたフォルムに、愛嬌たっぷりの表情がとてもキュートなアザラシの貯金箱。見たことがある! 持っている! という人もいるのでは? これは、シンプル&おしゃれなデザインで有名なフィンランド製の貯金箱。
北欧雑貨のお店biotope(ビオトープ)と海外雑貨の輸入販売元パドルビーのコラボ企画で、半年に1度のペースで作られる限定生産商品だ。

毎回、人気アーティストにお願いし、アザラシのお腹部分にオリジナルのイラストを描いてもらっているという。第一弾は、すっかり日本でも大人気のアラビア社、RUNOシリーズを手がけたセラミックアーティスト、ヘイニ・リータフフタさんに魚の絵を描いてもらい、今年2月に発売。高評を得た。

そしてこの8月には第二弾を発売。かわいいお花のイラスト(写真)を描いたのは、絵本作家としても活動しているフィンランド人のイラストレーター、マッティ・ピックヤムサさん。


ピックヤムサさんはこの花について、「フィンランドには、若い女性が7種類(場合によっては10種類なども)の花を摘んで、夏至の日の夜に枕の下にその花を入れて眠ると、その日の夢に、結婚相手の男性が現れる“ミッドサマーナイトマジック”という言い伝えがあり、その花をイメージしてデザインしました。そのイメージにアルキペラーゴ(多島群)の夏のイメージを重ねました」と語っているそう。

そういえば、フィンランドの国民的キャラクター、ムーミンのパペットアニメーションで“ミッドサマーナイトマジック”についての話が出てきたのを思い出した! なんだかロマンチック。

ちなみに、パドルビーのMさんに話をうかがったところ、アザラシについてのこんなエピソードも。

「アザラシはフィンランド人にとって、とても身近な動物です。1990年代にはコイン(お金)にアザラシが刻印されていましたし、フィンランドの首都ヘルシンキの観光名所『バルト海の乙女』の噴水のまわりには、4頭のアザラシの像がいます。
それにヘルシンキからの就航も多い「タリンクシリヤライン」というバルト海を運行する定期航路フェリーのロゴにもアザラシが描かれているんです」

たしかに、動物ひとつにとってもお国柄があって興味深いものだ。日本でアザラシをモチーフにしたデザインは、なかなか目にすることがない。日本だったら、なんの動物をモチーフにするだろう? なんて考えてみたり。

既に来年2月の発売に向け、第三弾の企画も少しずつ進めているというアザラシの貯金箱。毎回注目が集まりそう。
(田辺 香)