ルールを知っている人は、日本で6000万人を超えるといわれるゲーム「オセロ」。
8×8の64マス緑色の盤に、白と黒が背中合わせの円形チップ(石)を交互に置き、相手の色をはさむとひっくり返せる。
というシンプルなルール。
なんとなく隅を取ると有利だな、ぐらいのコツを知ってる人は多いが、実はなかなか奧が深い。
定石や必勝テクニックがたくさんあるのだ。
勝つためにオススメの入門書を紹介しよう。
日本オセロ連盟八段、中島哲也著『たのしく上達 図解オセロ』だ。

この本の初級編から、基本的な打ち方の発想法を紹介しよう。
この3つの発想を知るだけでも、オセロが強くなれるぞ!

1:初めからたくさん石を取らない! 
ついつい石をひっくり返す快楽に支配されて、たくさん石をとれるところに置いてしまう。だめ! オセロを遊ぶとわかるように、オセロはどんどん白黒が逆転する。石は自分の思い通りにならない。状況がひっくりかえる。
だから、前半でたくさん石をとってもダメなのだ。

2:自分の打てる所が少なくならないようにする。

石をたくさん取らないとすると、どういうふうに打てばいいのか? 「自分の打てる所が少なくならないように」打つ、これです。
重要なのは自分の石の数ではなく「打てるところがたくさんあること」であり、自分の選択肢がたくさんあることだ。
選択肢がなくなって、「これしかできない」って状況になると、自分では良くないと思っていても、そうせざるを得なくなる。
視野狭窄な状態になると、とんでもない状態になってしまうのだ。自分の将来の選択肢を確保するように打っていこう。

3:相手の打てる所を増やさないようにする。
「自分の打てる所を少なくならないようにする」のがコツということは、裏返せば、相手の打てる所を増やさなければいい。
ここで「中割り」「開放度」という考え方が出てくるのだが、詳しくは『たのしく上達 図解オセロ』を読んでもらうとして、ここでは大雑把にイメージだけ伝えよう。
「まわりを他の石に囲まれている石」だけを裏返すような手を、「中割り」と呼ぶ。裏返す石のまわりに空きマスがないということは、その石が裏返ったことで相手の打てる場所が増えていないということだ。そういう手を打つことで有利な状況にもっていけるのだ。

中島哲也著『たのしく上達 図解オセロ』は、こういった初級の必勝テクニック以外にも、「定石」や「辺の形」「終盤の数の勝負」など、オセロのコツがフルカラーで解説された初心者にぴったりの本だ。

全6章構成。
第1章:基本ルール編・これさえ覚えればすぐ打てる!
第2章:初級編・オセロの基本戦術はこれだ!
第3章:序盤編・一手一手には意味がある!
第4章:中盤編・色々な「形」をマスターしよう!
第5章:終盤編・理論を使って勝利する!
第6章:ケーススタディ・状況に応じたテクニック集!

オセロというゲーム名は、シェークスピアの戯曲「オセロ」に由来する。
盤面が緑色なのは、広大な草原をイメージしているのだ。
一手ごとに大きく状況が変わり、エキサイティングなゲームだけど、たくさん集まって騒ぐような遊びではなくて、ふたりで、のんびりとプレイできる。
そっと落ち着いていたいってときには、オセロで遊ぶのもいいんじゃないかな。
岡目八目って言葉もあるけど、静かに対戦しているときは、関係ない第三者は、わーわー言っちゃダメなんだよ。(米光一成)
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