こんな経験はないだろうか。「この子、私の友達」と見せてもらったプリクラの写真が異様に可愛かったものの、いざ会ってみると「アレ……?」みたいな。
これが、噂のプリクラマジック。きっと、光の効果もあるのだろうな。光によって化けた!

全然意味合いが違うのだけど、光によって姿を変える新素材が開発されたそうです。……って、いったい何が?
これが面白い。独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は、温度一定の室温状態で、光を照射するだけで液化と固化を繰り返し起こす“接着剤”を開発したというのだ。

使い方を、わかりやすく説明したい。
2つの物質に黄色い粉を塗って光を当てると、その物質たちはピッタリくっつく。そしてそこに別の光を当てると、その2つの物質は簡単に剥がれる。
これが、光を当てると何度でも使うことができる接着剤の一連の流れである。

でも、どうして光を当てるとくっついたり剥がれたりするのか? それは、光によって接着剤が姿を変えるから。
この物質、まず固体時には黄色い粉の形状をしているらしい。そして、ここに紫外線を当てると、数分後には液体に変化する。
また、この状態で緑色の可視光線を当てると固体に変化。このくだりによって、新素材は接着剤の働きを果たすようだ。
もう一度説明しよう。新素材に可視光線を当てると接着剤として使用でき、紫外線を当てると液化して簡単に剥がれるのだ。

ちなみにこの新素材の正体は、石油系の液晶ガラス。単一物質で、しかも光の作用だけで液体と固体を行ったり来たりするのは、この素材が世界初だという。


斬新なことはわかった。なんたって、世界初なのだから! でも、そこにはどんなメリットがあるのか?
「今までは工場等の場で熱を当てて溶かすなどして接着することが多かったですが、この新素材を使うと極端な熱を当てる必要がありません。よって、量産化に適した接着剤になると思います」(同研究所・担当者)
また、接着剤の再利用・再作業だって可能。他にも、一部のポイントを狙った微細な接着もできるようになるだろう。光の効果を利用すればこそである。

不安なのは強度だが、現時点では接着面1平方センチメートルで約5キログラムの重さまで耐えることができるという。
ナカナカじゃないですか!

一連の流れは、図をご覧いただきたいと思う。何度も言うけど、斬新だと思いませんか? この接着剤が当たり前の世の中になったら、凄い。
(寺西ジャジューカ)