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開戦から100年。日本にバウムクーヘンをもたらしたのは第一次世界大戦だった

       
や、岡田暁生『「クラシック音楽」はいつ終わったか?――音楽史における第一次世界大戦の前後』など大戦期の芸術の動向を追ったものもあり、そのテーマは幅広い。また大戦期の日本を考察したものとして、山室信一『複合戦争と総力戦の断層――日本にとっての第一次世界大戦』がある。

■日英同盟と第一次世界大戦
井上寿一『第一次世界大戦と日本』(講談社現代新書)もまた大戦と日本の関係に焦点を絞った本だ。「外交」「軍事」「政治」「経済」「社会」「文化」とテーマを立てた各章では、大戦前後のさまざまな事象を通じて、現代日本の諸問題の原点をそこに見出そうとしている。

第一次大戦で日本は、青島と南方諸島での戦闘以外に、1917年にはイギリスの要請を受けて、連合国の商船護送やドイツの潜水艦鎮圧の任務のため艦隊を地中海などに派遣している。このころ日本とイギリスは同盟関係にあったのだから当然だろうと思いきや、じつは日本は1914年の開戦直後より、イギリスから派遣要請をたびたび受けながら、断っていたのだ。それは、日英同盟の適用範囲は地理上インドまでのアジアと決まっており、遠く地中海は適用範囲外だったからである。

井上はこれについてさらに、現在の日米同盟の極東条項との違いから説明する。ちょうど最近「集団的自衛権」が議論となっているだけに、この比較は興味深い。

《日米同盟の適用範囲は「極東」である。しかしこの「極東」は地理的な意味ではない。「極東」の平和と安全を守るためならば、「極東」以外の地域でも在日米軍は使用できる。/日米同盟は「人」=アメリカ(在日米軍)と「物」=日本(在日米軍基地の提供等)の同盟である。対する日英同盟は「人」と「人」との対等な軍事同盟だった。/対等な軍事同盟である以上、日英同盟に参戦義務はなかった》

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2014年7月28日のレビュー記事

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